欧州マーケットダイジェスト・29日 株安・金利上昇・ユーロ高

(29日終値:30日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=138.76円(29日15時時点比▲0.07円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=138.86円(△1.10円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0007ドル(△0.0084ドル)
FTSE100種総合株価指数:休場
ドイツ株式指数(DAX):12892.99(前営業日比▲78.48)
10年物英国債利回り:休場
10年物独国債利回り:1.504%(△0.114%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い動き。アジア市場では一時0.9914ドルまで値を下げたものの、23日に付けた2002年12月以来の安値0.9901ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢に。欧州の天然ガス価格の下落を受けて、エネルギー価格高騰によるユーロ圏景気の減速懸念がやや和らいだこともユーロ買い戻しを誘った。フォンデアライエン欧州委員長が「電力市場への緊急介入を準備」と述べたと伝わるとユーロ買いがさらに進み、一時1.0029ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、NY勢が本格参入する時間帯に入るとやや上値が重くなった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出たほか、レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミストが「遅過ぎず速過ぎない安定したペースでターミナルレートとの差を埋めることが重要」と述べ、大幅利上げの議論をけん制したことが相場の重しとなり一時0.9981ドル付近まで下押しした。
 なお、一部のECB政策委員会メンバーからは「記録的な高インフレに対処するため、来月8日の理事会で、通常の3倍に当たる0.75%の利上げについて議論すべき」との声が上がっている。

・ドル円は下値が堅い。アジア時間に一時139.00円まで上昇した反動でポジション調整目的の売りが先行。原油先物価格の上昇を背景に、対産油国通貨中心にドル売りが進んだ影響も受けて一時138.27円付近まで下押しした。
 ただ、NYの取引時間帯に入ると米長期金利の上昇に伴う買いが入り、一時138.85円付近まで強含んだ。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が26日の講演で、インフレ抑制を最優先に利上げを続ける方針を改めて強調したことも引き続き意識される。

・ユーロ円は堅調。天然ガス価格の下落をきっかけに全般ユーロを買い戻す動きが先行。一時は310ドル超下落したダウ平均が上げに転じると、投資家の過度なリスク回避姿勢が後退し円売り・ユーロ買いが加速した。2時過ぎに一時138.97円と7月28日以来約1カ月ぶりの高値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時162.65円、豪ドル円は95.93円、NZドル円は85.52円、カナダドル円は106.81円、南アフリカランド円は8.25円、メキシコペソ円は6.95円まで値を上げた。

・ロンドン株式相場はサマーバンクホリデーのため休場となった。

・フランクフルト株式相場は続落し、7月15日以来の安値となった。前週末の米国株安や週明けのアジア株安の流れを引き継いで売りが先行。ECBの大幅利上げ観測を背景に売りが出た面もあった。個別ではバイエル(4.90%安)やザルトリウス(4.01%安)、インフィニオン・テクノロジーズ(2.92%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は下落。インフレ長期化の懸念から、独国債に売りが出た。

(中村)
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