欧州マーケットダイジェスト・25日 株高・金利低下・天然ガス高騰・ユーロ軟調

(25日終値:26日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=136.45円(25日15時時点比▲0.24円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=136.05円(▲0.54円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9971ドル(▲0.0021ドル)
FTSE100種総合株価指数:7479.74(前営業日比△8.23)
ドイツ株式指数(DAX):13271.96(△51.90)
10年物英国債利回り:2.617%(▲0.081%)
10年物独国債利回り:1.317%(▲0.053%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
4-6月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整済)
前期比                 0.1%       0.0%
前年同期比               1.7%       1.4%
4-6月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整前)
前年同期比               1.8%       1.5%
8月仏企業景況感指数          103        103
8月独Ifo企業景況感指数        88.5       88.7

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは頭が重かった。欧州の天然ガス価格の指標となるオランダTTF天然ガス先物が1メガワット時あたり317ユーロ付近まで高騰すると、エネルギー危機によるユーロ圏景気の後退懸念からユーロ売り・ドル買いが優勢となった。
 欧州中央銀行(ECB)はこの日、7月21日に0.50%の大幅利上げを決めた定例理事会の議事要旨を公表。数人のメンバーが0.25%の小幅な利上げを主張し、意見が割れていたことが明らかになった。これもユーロ売り要因となり、一時0.9949ドルと日通し安値を更新した。
 なお、この日発表の4-6月期独国内総生産(GDP)改定値や8月独Ifo企業景況感指数は予想を上回ったものの、相場の反応は限られた。

・ドル円は上値が重い。重要イベントを控えたポジション調整目的のドル売りが先行すると一時136.32円と日通し安値を付けたものの、前日の安値136.17円がサポートとして働くと買い戻しが進んだ。
 NYの取引時間帯に入り、4-6月期米GDP改定値や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い結果となったことが分かると一時136.95円付近まで上げたものの、137円台に乗せることは出来なかった。一時は3.1264%前後と約2カ月ぶりの高水準を付けた米10年債利回りが低下に転じたことが相場の重しとなり、3時前には136.40円付近まで下押しした。
 なお、ジョージ米カンザスティ連銀総裁はワイオミング州ジャクソンホールで「インフレと労働市場に関する主要指標の発表がまだ残っているため、9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅を予測することは時期尚早」と発言。また、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁は「金利を上げてからすぐに下げるというスタンスではない」「(金利)3.4%を超えたらしばらく様子を見たい。ただ、それはデータ次第」などと語った。

・ユーロ円はさえない。天然ガス価格の高騰に伴うユーロ圏景気悪化への懸念からユーロ売りが先行すると一時136.02円と日通し安値を付けた。ユーロドルが下げ渋った場面ではユーロ円にも買い戻しが入り、一時136.66円付近まで上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値136.98円には届かず。3時過ぎには136.03円付近まで押し戻された。

・ロンドン株式相場は4日ぶりに小反発。前日の米国株や本日のアジア株が上昇した流れを引き継いで買いが先行したものの、高インフレの長期化と金融引き締めによる英景気の後退が懸念されて株売りが強まると上げ幅を縮めた。BPやシェルなどエネルギー株が買われたほか、アングロ・アメリカンやグレンコアなど素材株が値上がりした。半面、英電力・ガス供給のナショナル・グリッドや公益事業のユナイテッド・ユーティリティーズは値下がりした。

・フランクフルト株式相場は続伸。前日の米国株や本日のアジア株が上昇した流れを引き継いで買いが先行したものの、天然ガス価格の高騰に伴うユーロ圏景気悪化への懸念から株売りが広がると上値が重くなった。個別ではシーメンス・ヘルシニアーズ(2.07%高)やバイエル(2.02%高)、インフィニオン・テクノロジーズ(1.66%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買いが入った。

(中村)
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