欧州マーケットダイジェスト・15日 株小幅高・ユーロ安・ドル底堅い

(15日終値:16日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=133.29円(15日15時時点比△0.10円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=135.48円(▲0.91円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0164ドル(▲0.0076ドル)
FTSE100種総合株価指数:7509.15(前営業日比△8.26)
ドイツ株式指数(DAX):13816.61(△20.76)
10年物英国債利回り:2.017%(▲0.094%)
10年物独国債利回り:0.900%(▲0.087%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
7月独卸売物価指数(WPI、前月比)   ▲0.4%      0.1%
7月スイス生産者輸入価格(前月比)  ▲0.1%      0.3%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調。独連邦統計庁が発表した7月独卸売物価指数(WPI)が前月から低下すると、高インフレへの警戒感がやや和らぎ独長期金利が低下。全般ユーロ売りが優勢となった。商品相場の下落を背景に、資源国通貨に対してドル高が進んだ影響も受けた。3時過ぎには一時1.0162ドルと日通し安値を更新した。エネルギー供給不安によるユーロ圏景気の悪化懸念も相場の重し。
 なお、ユーロポンドは一時0.8419ポンドまで下落したほか、ユーロスイスフランは0.9617スイスフランと2015年1月のスイスショック以来の安値を更新した。

・資源国通貨は売りが目立った。この日発表の中国経済指標が予想を下回ったことを受けて、同国景気への先行き懸念から原油などコモディティ価格が下落すると、豪ドルやカナダドルなど資源国通貨に売りが出た。豪ドル米ドルは一時0.7011米ドル、NZドル米ドルは0.6356米ドルまで値を下げたほか、米ドルカナダドルは1.2934カナダドルまで値を上げた。

・ドル円は底堅い動き。中国の景気減速への懸念が強まると資源国のクロス円中心にリスク・オフの円買いが先行。ドル円にも売りが出た。8月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が▲31.3と予想の5.5を大幅に下回ったことが分かると円買い・ドル売りが活発化し、アジア時間の安値132.92円や前週末の安値132.89円を下抜けて一時132.56円まで下げ足を速めた。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。一目均衡表雲の下限132.06円がサポートとして意識されたほか、安く始まった米国株が持ち直したことで買い戻しが進み、133.33円付近まで値を戻した。一時は2.75%台まで低下した米10年債利回りが2.78%台まで低下幅を縮めたことも相場を下支えした。
 なお、23時発表の8月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数は49と予想の55を下回ったものの、相場の反応は限られた。

・ユーロ円はさえない。中国の景気減速への懸念が強まったほか、ユーロ圏景気の悪化懸念が相場の重しとなり、21時30分過ぎに一時135.28円と日通し安値を更新した。その後の戻りも135.72円付近にとどまった。

・ロンドン株式相場は小幅続伸。この日発表の中国経済指標が予想を下回ったことで、同国景気への先行き懸念から商品相場が下落。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が売られたほか、BPやシェルなどエネルギー株が売られ相場の重しとなった。半面、アストラゼネカやスミス・アンド・ネフューなど医薬品株が買われ、相場を下支えした。

・フランクフルト株式相場は小幅続伸。低調な中国経済指標を受けて、同国景気への先行き懸念から売りが出た。ただ、7月独WPIが前月から低下すると、高インフレへの警戒感がやや和らぎ株買いにつながった。個別ではドイツ証券取引所(2.71%高)やハローフレッシュ(2.66%高)、MTUエアロ・エンジンズ(2.26%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。独インフレ指標の低下で、高インフレへの警戒感がやや和らいだ。

(中村)
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