欧州マーケットダイジェスト・21日 株まちまち・金利低下・ユーロ一転下落(1)

(21日終値:22日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=137.83円(21日15時時点比▲0.39円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=140.37円(▲0.93円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0184ドル(▲0.0039ドル)
FTSE100種総合株価指数:7270.51(前営業日比△6.20)
ドイツ株式指数(DAX):13246.64(▲35.34)
10年物英国債利回り:2.047%(▲0.092%)
10年物独国債利回り:1.223%(▲0.034%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
7月仏企業景況感指数          103        104
欧州中央銀行(ECB)、政策金利  0.50%に引き上げ    0.00%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは一転下落した。欧州中央銀行(ECB)定例理事会の結果公表を控えて、しばらくは1.01ドル台後半でのもみ合いが続いた。ECBが一部の市場予想(0.25%の利上げ)を上回る0.50%の利上げに踏み切ったことが伝わると、全般ユーロ買いが先行。前日の高値1.0273ドルを上抜けて一時1.0278ドルまで値を上げた。声明では「今後の会合で、金利のさらなる正常化が適切に行われるだろう」との見解が示された。
 ただ、ラガルドECB総裁が理事会後の記者会見で「ECBは利上げを加速する」としながらも、「最終的な金利水準は変えない」と述べ、利上げが終了する金利水準は変わっていないことを明らかにすると一転ユーロ売りが優勢に。22時30分前には1.0154ドルと日通し安値を更新した。また、イタリアではマッタレッラ大統領がドラギ首相の辞表を受理し、議会の解散を表明。9月25日に総選挙が実施される見通しとなった。イタリアの政局不安もユーロの重しとなった。
 なお、ロシアと欧州を結ぶ主要ガスパイプライン「ノルドストリーム1」の運営会社はこの日、10日間の定期メンテナンスを終えてドイツへのガス供給が再開したと発表。欧州への供給を巡る懸念がいくぶん和らいだ。

・ドル円は頭が重かった。日銀が今日まで開いた金融政策決定会合で、大規模金融緩和の継続を決めると欧州市場に入っても円売り・ドル買いが進んだ。黒田東彦日銀総裁が定例記者会見で金融緩和を継続する考えを改めて強調し、足もとの円安進行について「ドルの独歩高」と発言し、円安容認とも受け取れる考えを示したことも相場の支援材料。18時30分過ぎには一時138.88円と日通し高値を更新した。
 ただ、そのあとは上値が重くなった。7月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が▲12.3と予想を大きく下回り、2020年5月以来の水準まで悪化したほか、6月米景気先行指標総合指数が前月比0.8%低下と予想より弱い内容となったことが相場の重しとなり、一時137.71円と日通し安値を付けた。「バイデン米大統領が新型コロナウイルス検査で陽性と判定された」と伝わると、米10年債利回りが2.91%台まで急低下。米金利低下に伴うドル売りも散見された。

・ユーロ円も頭が重かった。21時30分前に一時142.32円と日通し高値を付けたものの、そのあとはユーロドルの失速やドル円の下落につれた売りが出て、2時30分過ぎに一時140.25円と日通し安値を付けた。



(中村)
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