欧州マーケットダイジェスト・14日 株安・金利上昇・ユーロ一進一退
(14日終値:15日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=138.94円(14日15時時点比△0.52円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=139.14円(△0.46円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0014ドル(▲0.0004ドル)
FTSE100種総合株価指数:7039.81(前営業日比▲116.56)
ドイツ株式指数(DAX):12519.66(▲236.66)
10年物英国債利回り:2.101%(△0.041%)
10年物独国債利回り:1.178%(△0.033%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標) <発表値> <前回発表値>
6月独卸売物価指数(WPI、前月比) 0.1% 1.0%
6月スイス生産者輸入価格(前月比) 0.3% 0.9%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは一進一退。欧州序盤は1ユーロ=1ドルのパリティ(等価)を意識した買いが入った半面、米金利の上昇を背景にした売りが出たため、1.00ドル台前半での神経質な展開となった。ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー供給不安や記録的なインフレで、ユーロ圏が景気後退(リセッション)に陥るリスクが高まる中、欧州株相場が軟調に推移したことも相場の重し。
NY市場に入ると、前日の6月米消費者物価指数(CPI)に続き、6月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことが明らかに。市場では今月26-27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の4倍にあたる1.00%の利上げが実施されるとの観測が高まり、米金利の上昇とともにドル買いが先行した。前日の安値0.9998ドルを下抜けると断続的にストップロスを巻き込んで、一時0.9952ドルと2002年12月以来約20年ぶりの安値を更新した。
ただ、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「7月は0.75%利上げが基本シナリオ」「市場は1.00%利上げに関してやや先走った可能性」と発言すると、市場では1.00%の利上げを予想する向きが増えていただけにドル売りで反応。1時前には1.0048ドル付近まで値を戻した。
もっとも、ドラギ伊首相が辞任表明すると伊政局不安が高まりユーロ売りが優勢に。2時前には0.9984ドル付近へ下落し、再びパリティ割れとなった。
・ドル円は売買が交錯。前日の6月米CPIが上振れたことを受けて、FRBが積極的な金融引き締めを続けるとの見方から円売り・ドル買いが先行。欧州勢参入直後に一時139.39円と1998年9月以来約24年ぶりの高値を更新した。その後、利食い売りなどが出て138.60円付近まで下押ししたものの、NY時間に入ると予想を上回る米PPIを受けて139.37円付近まで強含んだ。
ただ、ウォラー氏が「今月は0.75%の利上げを支持する」と発言すると、米金利の動きにつれて138.71円付近まで押し戻された。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、今月のFOMCでの1.00%の利上げ確率は50%近辺まで低下し、0.75%の利上げ確率とほぼ拮抗した。
なお、ウォラー氏は「FOMCまでに出る小売や住宅指標などが予想よりも強い場合、大幅な利上げを支持する」と述べ、経済指標次第では1.00%の利上げを支持する考えも示した。
・ユーロ円は日本時間夕刻に一時139.77円と日通し高値を付けたものの、そのあとは方向感が乏しくなった。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたことが背景。
・ロンドン株式相場は続落。インフレ高進に伴う米金融引き締め強化への警戒や欧州景気の減速懸念を背景に、株式への売りが膨らんだ。原油や金などコモディティ価格の下落を背景に、BPやシェルなどエネルギー株の下げが目立ったほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株に売りが集まった。HSBCやバークレイズなど金融株も軟調だった。
・フランクフルト株式相場は続落。ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー供給不安や記録的なインフレで、ユーロ圏がリセッションに陥るリスクが高まる中、投資家のリスク回避姿勢が強まった。インフレ高進に伴う米金融引き締め加速への警戒も相場の重荷。個別ではアディダス(4.04%安)やコンチネンタル(3.77%安)、アリアンツ(3.43%安)などの下げが目立ち、ザランド(0.75%高)を除く39銘柄が下落した。
・欧州債券相場は下落した。主要中央銀行が相次ぎ利上げを加速していることから、欧州中央銀行(ECB)も積極的な金融引き締めに動くのではないかとの見方が浮上。独国債などに売りが出た。
(中村)
ドル・円相場:1ドル=138.94円(14日15時時点比△0.52円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=139.14円(△0.46円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0014ドル(▲0.0004ドル)
FTSE100種総合株価指数:7039.81(前営業日比▲116.56)
ドイツ株式指数(DAX):12519.66(▲236.66)
10年物英国債利回り:2.101%(△0.041%)
10年物独国債利回り:1.178%(△0.033%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標) <発表値> <前回発表値>
6月独卸売物価指数(WPI、前月比) 0.1% 1.0%
6月スイス生産者輸入価格(前月比) 0.3% 0.9%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは一進一退。欧州序盤は1ユーロ=1ドルのパリティ(等価)を意識した買いが入った半面、米金利の上昇を背景にした売りが出たため、1.00ドル台前半での神経質な展開となった。ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー供給不安や記録的なインフレで、ユーロ圏が景気後退(リセッション)に陥るリスクが高まる中、欧州株相場が軟調に推移したことも相場の重し。
NY市場に入ると、前日の6月米消費者物価指数(CPI)に続き、6月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことが明らかに。市場では今月26-27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の4倍にあたる1.00%の利上げが実施されるとの観測が高まり、米金利の上昇とともにドル買いが先行した。前日の安値0.9998ドルを下抜けると断続的にストップロスを巻き込んで、一時0.9952ドルと2002年12月以来約20年ぶりの安値を更新した。
ただ、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「7月は0.75%利上げが基本シナリオ」「市場は1.00%利上げに関してやや先走った可能性」と発言すると、市場では1.00%の利上げを予想する向きが増えていただけにドル売りで反応。1時前には1.0048ドル付近まで値を戻した。
もっとも、ドラギ伊首相が辞任表明すると伊政局不安が高まりユーロ売りが優勢に。2時前には0.9984ドル付近へ下落し、再びパリティ割れとなった。
・ドル円は売買が交錯。前日の6月米CPIが上振れたことを受けて、FRBが積極的な金融引き締めを続けるとの見方から円売り・ドル買いが先行。欧州勢参入直後に一時139.39円と1998年9月以来約24年ぶりの高値を更新した。その後、利食い売りなどが出て138.60円付近まで下押ししたものの、NY時間に入ると予想を上回る米PPIを受けて139.37円付近まで強含んだ。
ただ、ウォラー氏が「今月は0.75%の利上げを支持する」と発言すると、米金利の動きにつれて138.71円付近まで押し戻された。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、今月のFOMCでの1.00%の利上げ確率は50%近辺まで低下し、0.75%の利上げ確率とほぼ拮抗した。
なお、ウォラー氏は「FOMCまでに出る小売や住宅指標などが予想よりも強い場合、大幅な利上げを支持する」と述べ、経済指標次第では1.00%の利上げを支持する考えも示した。
・ユーロ円は日本時間夕刻に一時139.77円と日通し高値を付けたものの、そのあとは方向感が乏しくなった。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたことが背景。
・ロンドン株式相場は続落。インフレ高進に伴う米金融引き締め強化への警戒や欧州景気の減速懸念を背景に、株式への売りが膨らんだ。原油や金などコモディティ価格の下落を背景に、BPやシェルなどエネルギー株の下げが目立ったほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株に売りが集まった。HSBCやバークレイズなど金融株も軟調だった。
・フランクフルト株式相場は続落。ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー供給不安や記録的なインフレで、ユーロ圏がリセッションに陥るリスクが高まる中、投資家のリスク回避姿勢が強まった。インフレ高進に伴う米金融引き締め加速への警戒も相場の重荷。個別ではアディダス(4.04%安)やコンチネンタル(3.77%安)、アリアンツ(3.43%安)などの下げが目立ち、ザランド(0.75%高)を除く39銘柄が下落した。
・欧州債券相場は下落した。主要中央銀行が相次ぎ利上げを加速していることから、欧州中央銀行(ECB)も積極的な金融引き締めに動くのではないかとの見方が浮上。独国債などに売りが出た。
(中村)