欧州マーケットダイジェスト・21日 株まちまち・金利低下・ユーロ一転下落(2)

・トルコリラは軟調だった。対ドルでは一時17.7404リラ、対円では7.76円まで値を下げた。トルコ中銀はこの日、金融政策決定会合を開き、市場予想通り政策金利を現行の14.00%で据え置くことを決めたと発表した。据え置きは7会合連続。
 同国の6月消費者物価指数(CPI)は前年比78.62%と1998年9月以来、約24年ぶりの高水準となっており、民間団体はさらに高い数値を主張。公式統計への疑義も募っている状況だが、エルドアン大統領は景気を冷やしかねない金融引き締めに依然として反対している。声明では「エネルギー価格の高止まりと主要貿易相手国の景気後退の可能性は、経常収支のリスクを生んでいる」との見解を示したが、緩和措置などの方向転換については言及しなかった。

・ロンドン株式相場は小反発。前日の終値を挟んだもみ合いに終始した。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、HSBCやバークレイズなど金融株に買いが入り相場を下支えした。半面、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株に売りが出て相場の上値を抑えた。BPやシェルなどエネルギー株も軟調だった。

・フランクフルト株式相場は小幅ながら続落。ECBの大幅な利上げを受けて、欧州景気の悪化を懸念した売りが出た。ただ、ロシアとドイツをつなぐ天然ガスの主要パイプライン「ノルドストリーム1」が定期検査を終え、供給を再開。これが安心材料となり、相場を下支えした。

・欧州債券相場では英国債や独国債が上昇した一方、伊国債など南欧諸国の国債が売られた(利回りは上昇)。ECBは利上げとともに、市場安定化措置を承認したものの、一部では失望感が広がったもよう。

(中村)
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