欧州マーケットダイジェスト・2日 株大幅反発・ユーロ一転下落

(2日終値:3日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=140.11円(2日15時時点比▲0.22円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=139.55円(▲0.37円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9960ドル(▲0.0011ドル)
FTSE100種総合株価指数:7281.19(前営業日比△132.69)
ドイツ株式指数(DAX):13050.27(△420.04)
10年物英国債利回り:2.918%(△0.039%)
10年物独国債利回り:1.525%(▲0.036%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
7月独貿易収支         54億ユーロの黒字 62億ユーロの黒字・改
7月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
前月比                4.0%     1.3%・改
前年比                37.9%    36.0%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは一転下落。ロシアとドイツをつなぐ天然ガスの主要パイプライン「ノルドストリーム1」を巡り、「ガス供給は予定通り3日再開の見通し」と伝わると、欧州のエネルギー供給不安が和らぎ欧州株相場が大幅に反発。投資家のリスク回避姿勢が後退しユーロ買い・ドル売りが優勢となった。フォンデアライエン欧州委員長が「予想より早くガス貯蔵量が目標の80%に到達した」と述べたことで、欧州の天然ガス価格が下落したこともユーロ買いを誘った。
 注目の8月米雇用統計では、非農業部門雇用者数が31.5万人増と予想の30.0万人増を上回った一方、失業率と平均時給が予想より弱い内容となったことが明らかに。市場では米連邦準備理事会(FRB)が利上げをさらに加速するほど強い内容ではないと受け止められ、米長期金利が低下。全般ドル売りが優勢となり、一時1.0034ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、NY午後に入ると一転売りが優勢に。ロシア国営の天然ガス会社ガスプロムが3日再開予定だった「ノルドストリーム1」について、「オイル漏れを検出したため、修理まで稼働停止を継続する」と発表。欧州のエネルギー供給不安が再び高まりユーロ売りが強まった。2時30分前には一時0.9947ドル付近まで下押しした。

・ドル円は大きな方向感が出なかった。米重要指標の発表を控えてしばらくは140円台半ばでのもみ合いが続いていた。注目の8月米雇用統計では非農業部門雇用者数が予想を上回ったことに買いで反応し、一時140.80円と1998年8月以来約24年ぶりの高値を付けた。
 ただ、失業率と平均時給が予想より弱い結果だったことから、FRBの利上げ加速の懸念が和らぐと米長期金利が低下。全般ドル売りが優勢となり、139.92円付近まで下押しした。7月米製造業新規受注が予想を下回ったことも相場の重し。
 もっとも、FRBの利上げ加速の懸念は多少和らいだものの、FRBが金融引き締めを長期化させるとの観測自体は変わらない。「ノルドストリーム1は稼働停止を継続」との報道をきっかけに対ユーロ中心にドル買い戻しが入った影響も受けて、140.20円台まで持ち直した。

・ユーロ円は頭が重かった。ロンドン市場では欧州のエネルギー供給不安の緩和で欧州株相場が急反発し、円売り・ユーロ買いが優勢に。22時前には一時140.75円と日通し高値を更新した。ただ、NY午後に入ると「ノルドストリーム1は稼働停止を継続」との報道をきっかけにエネルギー供給不安が再び高まりユーロ売りが優勢に。2時30分前に139.40円付近まで下押しした。

・ロンドン株式相場は5日ぶりに反発。前日まで4日続落していたとあって、自律反発狙いの買いが優勢となった。欧州各国の主要株式相場が大幅に反発したことも相場の支援材料。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株の上昇が目立ったほか、HSBCやバークレイズなど金融株に買いが集まった。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株も堅調だった。

・フランクフルト株式相場は3日ぶりに大幅反発。ロシアとドイツをつなぐ天然ガスの主要パイプライン「ノルドストリーム1」を巡り、「ガス供給は予定通り3日再開の見通し」と伝わると、エネルギー供給不安が和らぎ投資家心理が上向いた。前日までに大幅下落した反動もあり、急速に買い戻しが進んだ。個別ではフォルクスワーゲン(6.69%高)やドイツ銀行(5.45%高)、シーメンス(5.28%高)などの上昇が目立ち、ヘンケル(0.63%安)を除く39銘柄が上昇した。

・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。

(中村)
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