株式明日の戦略-3日続落も下値は限定的、米国株はハードな材料を無難に消化できるか

 12日の日経平均は小幅に3日続落。終値は4円安の26396円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり775/値下がり981。前の日に弱かった小売大手のファーストリテイリングとセブン&アイが大幅上昇。決算が好感されたコスモス薬品が急伸し、ツルハ、スギ、ウエルシアなどドラッグストア株に買いが波及した。レジャー関連が引き続き強く、JR東海、JR西日本、ANA、OLCが2%台の上昇。京都の観光客の賑わいを伝えるニュースを材料に、京都ホテルが年初来高値を更新した。証券会社の新規カバレッジが入ったりらいあHDが5%高。決算が好感されたマニーが16%高と値を飛ばした。

 一方、半導体株への売りが続き、東京エレクトロンやSCREENが年初来安値を更新。レーザーテックやアドバンテストも大幅安となった。ソニーG、村田製作所、太陽誘電などハイテク株も多くが下落。業種では北陸電力や東北電力など電力株の下げが目立った。下方修正を発表したライフコーポレーションが大幅安となって年初来安値を更新。新株予約権の発行が嫌気されたリボミックが急落した。

 本日プライムに新規上場したソシオネクストは、初値は公開価格を小幅に上回る程度であったが、寄った後に買いを集めており、終値は初値を大きく上回った。

 日経平均はほぼ横ばい。大引け間際までプラスであっただけに、下落で終えたのは印象が悪い。ただ、弱かった場面でも2桁の下落までにとどめるなど、かなり底堅かった。米国では本日、9月生産者物価指数(PPI)が発表され、9月開催のFOMC議事録が公表される。PPIが強かった場合には、翌日の9月消費者物価指数(CPI)に対する警戒も強まる。また、大幅利上げを実施した9月のFOMCの議論内容は、タカ派色の強いものであった可能性が高い。米国の金融引き締めへの警戒が強まりやすいこれらの材料に、足元弱い米国株がどこまで耐性を示すことができるが注目される。
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