NYマーケットダイジェスト・15日 株大幅安・金利低下・ドル高

(15日終値)
ドル・円相場:1ドル=137.78円(前営業日比△2.30円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=146.43円(△1.72円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0628ドル(▲0.0054ドル)
ダウ工業株30種平均:33202.22ドル(▲764.13ドル)
ナスダック総合株価指数:10810.53(▲360.36)
10年物米国債利回り:3.45%(▲0.03%)
WTI原油先物1月限:1バレル=76.11ドル(▲1.17ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=1787.8ドル(▲30.9ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ユーロドルは3日ぶりに反落。欧州中央銀行(ECB)はこの日の定例理事会で、政策金利を0.50%引き上げ、来年3月から量的金融緩和策として買い入れた国債など資産の規模縮小の開始を決めたと発表。声明では「一段の金利上昇を見込む」「金利は安定したペースで大幅に上昇する必要がある」と指摘した。この結果を受けて欧州債利回りが大幅に上昇すると、ユーロ買いが先行した。また、ラガルド総裁が理事会後の会見で「今後の利上げ幅についてはデータ次第」としながらも、「当面は0.50%の利上げが予想される」「来年2月と3月も0.50%の利上げの可能性がある」と発言するとユーロ買いが加速。前日の高値1.0695ドルを上抜けて一時1.0735ドルと6月9日以来約半年ぶりの高値を付けた。市場では「ECBは金融引き締めに積極的なタカ派姿勢を示した」と受け止められた。
 ただ、ECBの積極的な金融引き締めがユーロ圏景気の悪化につながるとの懸念から、ユーロ買いの勢いは長続きしなかった。欧州を代表する株価指数のひとつユーロ・ストックス50指数は3.5%超下落し、ダウ平均は一時950ドル超下げると、リスク・オフのドル買いが優勢となり、3時過ぎに一時1.0593ドルと日通し安値を更新した。

・ドル円は3日ぶりに大幅反発。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、2023年末時点の政策金利見通しが引き上げられたことから、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化が改めて意識されて円売り・ドル買いが出やすい地合いとなった。ECBが想定よりもタカ派的な姿勢を示したことで、欧米株価が急落すると為替市場ではリスク回避のドル買いが活発化し、3時過ぎには138.17円と11月30日以来約2週間ぶりの高値を更新した。
 なお、11月米小売売上高や12月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数など、この日発表の米経済指標が軒並み予想を下回ったことを受けて一時136.18円付近まで値を下げる場面もあったが、下押しは限定的だった。

・ユーロ円は続伸。タカ派姿勢を示したECBと、大規模な金融緩和策を維持する日銀との金融政策の方向性の違いが意識されて、円売り・ユーロ買いが出やすい状況だった。1時過ぎには一時146.73円と11月10日以来約1カ月ぶりの高値を更新した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に続落。前日のFOMCで示された23年末の政策金利見通しが前回から引き上げられ、市場の想定を上回るタカ派的な内容となったことを受けて、景気後退への懸念が強まった。ECBが本日の理事会で、積極的な金融引き締め姿勢を示したことも米株の重しとなり、一時950ドル超下げる場面があった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も大幅続落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。欧米中銀の積極的な金融引き締めが長期化するとの警戒感から、投資家がリスク回避姿勢を強めると相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。

・原油先物相場は4日ぶり反落。欧米中銀が金融引き締め継続の意向を示すと、経済活動の冷え込みからエネルギー需要が減少するとの懸念が高まった。足もとで大きく値を上げてきた後だけに持ち高調整の売りも重なり、一時75ドル前半まで下押す場面があった。

・金先物相場は大幅に続落。パウエルFRB議長の会見を経て金融引き締めが長期化するとの見方が高まり、金利が付かない金への売り圧力が強まった。為替でドル高が進んだこともドル建てで取引される金の重しとなった。

(中村)
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