ロンドン為替見通し=5月独Ifo企業景況感指数とレーンECB専務理事の発言に要注目か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、スプリング・バンク・ホリデーで休場となるため閑散取引が予想される中、5月独Ifo企業景況感指数を見極めつつ、レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事の発言に注目する展開となる。

 14日に発表された5月のドイツ景気期待指数は47.1と4月の42.9から上昇し、ロシアがウクライナに侵攻した2022年2月以来の高水準となった。
 本日発表される5月独Ifo企業景況感指数も90.5と予想されており、4月の89.4からの改善が見込まれている。
 第1四半期のドイツ経済が予想を上回る成長を遂げたことを受けて、第2四半期も好調な景気回復が見込まれており、ユーロの堅調地合いに繋がっている。

 6月の欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げ開始はほぼ織り込み済みとなりつつあるが、タカ派のナーゲル独連銀総裁は、来月利下げ後の行動を急ぎ過ぎないように牽制し、シュナーベル理事は、6月の理事会で利下げを始めることが適切との認識を示したものの、7月会合での政策判断は「慎重なアプローチをとるべきだ」と語り、ゆっくりとしたペースで利下げを進めるのが望ましいとの考えを示していた。

 レーンECB専務理事は、先日、利下げを急げばインフレ率を目標の2%に低下させることができない一方、利下げが遅すぎれば中期的にインフレ率を目標以下に押し下げ、生産、雇用、投資が犠牲になるという過度な副作用が生じる可能性があると述べ、ECBは「二面的なリスク」に直面していると指摘していた。そして、利下げに関しては、経済見通しを巡る不確実性を踏まえて、1回の利下げごとにデータを蓄積すべきという認識を示していた。本日の講演では、ユーロ圏の予想を上回った賃金データを受けた見解に注目することになる。

想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0943ドル(3/21高値)
・ユーロ円:171.56円(4/29高値)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0760ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:169.29円(5/23安値)


(山下)
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