NY為替見通し=ドル円、株価や米長期金利をにらむ展開続くか

 本日のNY市場では動意づける材料になりそうな米経済指標は予定されておらず、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)前のブラックアウト期間中のため要人発言も予定されていない。手掛かり材料に乏しい中、ドル円は週末要因を意識しながら株価や米長期金利をにらみながらの取引となるか。

 まず米国株について、ナスダックは11日に史上初の2万ドルに乗せ、12日は弱含むも11日安値は割り込まずに高値圏をキープ。S&P500についても、FOMCでの利下げ期待を背景に高止まりしている。ただダウ平均は6日続落しており、こちら主導で週末のポジション調整が出るようだと、ドル円の重しとなることも考えられる。

 一方で米10年債利回りは、今週に入り上昇基調となると昨日は11月25日以来の4.33%台まで水準をあげる場面が見られた。昨日の11月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回る伸びとなり、市場でインフレの高止まりが警戒されたことも、金利上昇を後押し。この流れが本日も続くようならば、ドル円の追い風となることも考えられる。

 円相場の視点では、翌週の日銀会合を前にした観測報道がでるようだと、神経質な動きとなりそうだ。本日発表された日銀短観では、大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)が2四半期ぶりに改善し、日銀の利上げを後押しする内容だと受け止められ円が買われる場面も見られた。しかし11日に続いて本日も「日銀の12月利上げ見送り観測」が伝わり、日銀会合に向けて市場の見方は据え置きと利上げで分かれたままだ。引き続き関連報道に対する警戒は怠らないようにしたい。

 テクニカル面では、ドル円は日足・一目均衡表の基準線を上抜いており、上値余地が広がりやすいと見る。足もとでの上昇の流れが続くようだと、11月15日高値156.75円-12月2日安値148.65円の61.8%戻し水準153.66円や、心理的節目の154.00円に向けて上値を模索する可能性がある。ただし、週末のポジション調整を理由に基準線152.70円が重くなるようならば、200日移動平均線152.06円付近の底堅さを確かめる展開も想定される。


想定レンジ上限
・ドル円、前述した153.66円を超えると心理的節目の154.00円

想定レンジ下限
・ドル円、日足・一目均衡表の基準線152.70円を割ると200日線152.06円

(川畑)
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