予想とまとめ

【東京為替予想】欧州通貨が市場を先導、アジア時間は中国の人民元基準値や株に注目
2025/01/03 08:00
 昨日のドル円は、日本時間夕刻に一時156.44円と日通し安値を更新したが、米10年債利回りが4.59%台まで上昇すると全般ドル買いが活発化。ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローも相場を押し上げ、157.85円まで強含んだ。ユーロドルもロンドン・フィキシングでのドル買いにより、一時1.0226ドルと2022年11月以来約2年2カ月ぶりの安値を更新した。

 本日のアジア時間でドル円は、引き続き東京市場が休場となることでトレンドを作るほどの値動きを期待するのは難しいが、欧州通貨に対してのドル買いが対円のサポート要因になりそうだ。
 
 年初は東京が不在ということもあるが、欧州通貨(ユーロ、ポンド)が市場を先導するかたちになっている。ドル円は昨年12月の日米金融政策決定会合で、日銀の利上げが市場予想より遅くなる可能性が高まったことや、米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースの鈍化もしくは利下げ終了の思惑があり、下落局面ではドル買い・円売りを仕掛けたい市場参加者が依然として多い。一方で、昨年7月に行われた円買い介入の水準に接近していることや、1月20日から就任する第2次トランプ政権では、トランプ氏がドル高・円安に対して兼ねてから懸念を表明していることで、上値も積極的に買い上げるような地合いにもなりにくく、円売り・円買い両要因が絡まり一方的な動きにはなりにくくなってきている。

 円相場は本邦勢参入後に発表されるインフレ指標や、植田日銀総裁が前回の政策決定会合後の質疑応答で応えていた輸入物価指数の結果を見極めるだけでなく、今後の春闘に向けた賃上げ率などを確かめながらの取引になりそうだ。

 欧州通貨が主導権を握っているだけでなく、本日はオセアニアやアジア圏からは主だった経済指標の発表が予定されていないことも値動きを抑制するだろう。ただ、その中でも目を向けておかなければならないのは中国市場の動き。本日は同国からも経済指標の発表予定はないが、年末年始は人民元相場の動きが他通貨へ影響を大きく与えている。昨日ドル円が156円半ば割れまで下落したときも先導をしたのがドルCNH(人民元)だったが、買い戻しも同様だった。中国人民銀行の人民元取引・基準値が市場予想よりもドル安・元高に設定されたことで元が買われたものの、年末年始に発表された市場予想より弱い経済指標(製造業PMI)の影響で株や元が売り戻された。本日も人民元の基準値や中国株の動向には目を向けておきたい。

今日のイベントスケジュール

6日 (時間は日本時間)
国内
東京証券取引所などが大発会
海外
10:4512月Caixin中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:51.4)
15:3011月スイス小売売上高
17:5012月仏サービス部門PMI改定値(予想:48.2)
17:5512月独サービス部門PMI改定値(予想:51.0)
18:0012月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:51.4)
18:3012月英サービス部門PMI改定値(予想:51.4)
22:0012月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.3%/前年比2.4%)
23:15クック米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
23:4512月米サービス部門PMI改定値(予想:58.5)
23:4512月米総合PMI改定値
24:0011月米製造業新規受注(予想:前月比▲0.3%)
7日
03:0012月ブラジル貿易収支(予想:42.00億ドルの黒字)
03:00米財務省、3年債入札
ロシア(新年休暇)、ポーランド(三博士の日)、スウェーデン(公現祭)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

上値と下値の目安

ドル円 ドル円
2025/01/06 07:35
レジスタンス2 158.86(2024/7/16高値)
レジスタンス1 158.08(2024/12/26高値)
前日終値 157.26
サポート1 156.02(2024/12/31安値)
サポート2 155.32(21日移動平均線)
ユーロドル ユーロドル
2025/01/06 07:41
レジスタンス2 1.0534(2024/12/17高値)
レジスタンス1 1.0428(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 1.0308
サポート1 1.0226(1/2安値)
サポート2 1.0163(2022/11/11安値)
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