予想とまとめ

【ドル円、ユーロドル】ドル円、米CPIに注目
2024/09/07 03:55
◆ドル円、米CPIの結果次第で利下げ幅予想に大きく影響
◆日銀の追加利上げについては時期尚早との声も
◆ユーロドル、賃金鈍化から利下げはほぼ確実視

予想レンジ
ドル円   141.00-148.00円
ユーロドル 1.0900-1.1300ドル

9月9日週の展望
 ドル円は、日米の金融政策に対する思惑から不安定な展開が想定される。まず、米金利見通しについては、7月雇用動態調査(JOLTS)求人件数が2021年1月以来の低調な内容だったことから17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%と0.50%利下げ確率が6日時点で拮抗している。来週は11日に市場が注目する8月消費者物価指数(CPI)の発表があり、利下げ幅が織り込まれていない状況のなか、結果次第ではドルが大きく上下する可能性は高いだろう。なお、今週末からブラックアウト期間に入る為、FOMCメンバーからの見解は期待できないが、FEDウォッチャーであるWSJのニックティミラオス氏のコメントには十分に警戒したほうがよいだろう。

 日銀の金利見通しについては、植田日銀総裁が3日の経済財政諮問会議で「物価の見通しが実現していくとすれば引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整する」と発言したほか、7月の毎月勤労統計調査で実質賃金が2カ月連続でプラスとなったことを背景に追加利上げへの思惑が再び高まっているが、これについては時期尚早との声が多い。日銀総裁の発言は以前から主張していた内容。また、実質賃金についても6月から7月にかけて夏季賞与を支払う企業が増えたことが大きく影響を与えた可能性が高く、「8月以降はプラスを維持するのは難しい」との見方もある。タカ派寄りとされる高田日銀審議委員も5日の講演で「利上げには十分な時間をかけて影響を検証」「当面は株式・為替の変動を十分注視」と金融市場への影響に配慮した見解を示しており、追加利上げを材料に更に円買いを進めるのは難しそうだ。

 ユーロドルは、米CPIの結果を受けたドルの動向に大きく影響を受けつつ、12日の欧州中央銀行(ECB)理事会を待つ展開となる。ユーロ圏の4-6月期・妥結賃金上昇率が前年同期比3.6%と1-3月期の4.7%から大きく鈍化したことを受けて、市場では利下げがほぼ確実視されている。利下げに慎重姿勢だったラガルドECB総裁の記者会見での発言に注目が集まっており、ハト派寄りの見解が示されるかどうかに警戒したい。

9月2日週の回顧
 ドル円は、週明けに限れば底堅く推移し3日には一時147.21円まで上昇する場面があったが、その後は一転して売りが優勢に。3連休明けの米国株式相場が急落し、米長期金利も大きく低下すると売りが加速した。米労働指標が低調な内容だったことも売りを促し、一時142.85円まで下値を広げている。
ユーロドルは下値が堅い。米国株安でリスクオフムードが高まると一時1.1026ドルまで下げたが、低調な米労働指標が相次いだことを受けてドル売りが優勢となると1.1120ドルまで反発した。(了)

国内イベントスケジュール

2024/09/16 06:15
16日
敬老の日の祝日で休場
17日
13:307月第三次産業活動指数
18日
08:507月機械受注
08:508月貿易統計(通関ベース)
19日
日銀金融政策決定会合(1日目)
20日
08:308月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)
08:308月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く)
08:50対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
15:30植田和男日銀総裁、定例記者会見
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

海外イベントスケジュール

2024/09/16 06:30
16日
15:308月スイス生産者輸入価格
16:00パネッタ伊中銀総裁、講演
17:10デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
18:007月ユーロ圏貿易収支
21:00レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
21:307月カナダ製造業出荷
21:309月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
韓国(秋夕)、中国(中秋節)、インド(イスラム教ムハンマド生誕祭)、メキシコ(独立記念日)、休場
17日
18:009月独ZEW景況感指数
18:009月ユーロ圏ZEW景況感指数
21:158月カナダ住宅着工件数
21:308月カナダ消費者物価指数(CPI)
21:308月米小売売上高
22:158月米鉱工業生産指数
設備稼働率
23:009月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
23:007月米企業在庫
18日
02:00米財務省、20年債入札
米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
韓国(秋夕)、中国(中秋節)、休場
07:454-6月期ニュージーランド(NZ)経常収支
15:008月英CPI
15:00CPIコア指数
小売物価指数(RPI)
16:00ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
16:15ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
17:008月南アフリカCPI
18:007月ユーロ圏建設支出
18:008月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
18:008月ユーロ圏HICPコア改定値
20:00ナーゲル独連銀総裁、講演
20:007月南アフリカ小売売上高
20:00MBA住宅ローン申請指数
21:307月対カナダ証券投資
21:308月米住宅着工件数
建設許可件数
23:30EIA週間在庫統計
19日
03:00米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
03:00FOMC、経済・金利見通し発表
03:30パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
05:007月対米証券投資動向
06:30ブラジル中銀、政策金利発表
韓国(秋夕)、香港(中秋節の翌日)、休場
07:454-6月期NZ国内総生産(GDP)
10:308月豪雇用統計(失業率/新規雇用者数)
16:15クノット・オランダ中銀総裁、講演
17:007月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
17:00ノルウェー中銀、政策金利発表
20:00トルコ中銀、政策金利発表
20:00英中銀(BOE)、政策金利発表
20:00英中銀MPC議事要旨
21:304-6月期米経常収支
21:309月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
21:30前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
23:008月米景気先行指標総合指数
23:008月米中古住宅販売件数
23:40シュナーベルECB専務理事、講演
20日
08:019月英消費者信頼感指数(Gfk調査)
15:008月英小売売上高
15:008月独生産者物価指数(PPI)
15:459月仏企業景況感指数
17:308月香港CPI
21:307月カナダ小売売上高
21:308月カナダ鉱工業製品価格
21:308月カナダ原料価格指数
23:009月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
24:00ラガルドECB総裁、あいさつ
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
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