予想とまとめ

週間為替展望(豪ドル/ZAR)-ZAR、SARBの利下げはポジティブ材料
2024/09/14 03:45
◆豪ドル、対円では日米金融政策を受けたドル円の動向に振らされる見込み
◆豪ドル、RBAの政策を非難した財務相に同調する声も
◆ZAR、SARBの利下げはポジティブな材料に

予想レンジ
豪ドル円 92.00-97.00円
南ア・ランド円 7.70-8.20円

9月16日週の展望
 豪ドルは上値の重い展開となりそうだ。来週は豪州から19日に8月雇用統計の発表が予定されているものの、豪ドル相場への反応は一時的なものにとどまるだろう。市場の注目を集める日米の金融政策公表が控えていることから、基本的にはドル円などの動向に振らされる展開となりそうだ。

 来週は17-18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、19-20日に日銀金融政策決定会合が開催される。米国は0.25%の利下げ、日銀は金利据え置きがコンセンサスとなりつつあり、市場の注目は両中銀の金利見通しに集まりそうだ。日米金利差縮小への思惑が高まり、ドル円が下方向への圧力を強めれば、当然ながら豪ドル円も下値リスクが拡大する。今週の時点で8月5日にドル円・クロス円が急落した際の安値90.15円が視野に入っていることもあり、一層の注意が必要となるだろう

 また、豪準備銀行(RBA)の金融政策を巡って国内から非難の声が挙がっていることも懸念材料として意識しておきたい。チャーマーズ豪財務相は先週、「RBAの計13回に渡る利上げが豪経済を破壊している」と発言し、波紋を呼んだ。この発言は野党や保守派経済学者などから批判されたが、豪州で景気減速が進んでいることから、市場では豪財務相に同調する声も多い。一部の金融機関も「インフレが高止まりする中での景気鈍化は、RBAが利下げを行う理由にはならない」としながらも、利下げ予想時期を前倒ししており、23-24日に予定されている次回のRBA理事会に向けて思惑的な動きが進む可能性もありそうだ。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は下げ渋る可能性もある。来週は南アフリカから18日に8月消費者物価指数(CPI)や7月小売売上高などが発表され、19日には南アフリカ準備銀行(SARB)が金融政策を公表する予定となっている。

 SARBは今回の金融政策決定委員会(MPC)で現行の8.25%から8.00%へと政策金利を引き下げる見込みだが、その前日には米国で同規模の利下げが実施される公算が高く、対米金利差の縮小は避けられるだろう。また、SARBの利下げが同国の景気改善に寄与することから、ZARにとってはポジティブな材料として受け止められそうだ。ZAR円はドル円相場の影響を受けざるを得ないだろうが、対ドルでのZAR買いに支えられて、他のクロス円と比較すると相対的に底堅く推移することが予想される。

9月9日週の回顧
 豪ドルは対ドル・対円でともにやや方向感を欠いた動き。週半ばにかけては売りに押され、対円では一時93円台半ばまで下押す場面もあったが、その後は買い戻しが入った。ZARも対円では一時8月7日以来の安値となる7.8円台まで値を下げたものの、売りが一巡するとは8.00円付近まで下値を切り上げた。(了)

国内イベントスケジュール

2025/01/13 06:00
13日
成人の日の祝日で休場
14日
08:5011月国際収支速報
10:30氷見野良三日銀副総裁、あいさつ
14:0012月景気ウオッチャー調査
15日
08:5012月マネーストックM2
16日
08:5012月企業物価指数
17日
08:50対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

海外イベントスケジュール

2025/01/13 06:10
13日
06:4511月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
12:15レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、レーン・フィンランド中銀総裁、講演
16:0011月トルコ経常収支
17:0012月スイスSECO消費者信頼感指数
19:3012月インド消費者物価指数(CPI)
14日
04:0012月米月次財政収支
08:301月豪ウエストパック消費者信頼感指数
17:00ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
17:30ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
22:3012月米卸売物価指数(PPI)
食品とエネルギーを除くコア指数
24:00シュミッド米カンザスシティー連銀総裁、あいさつ
15日
01:0012月ロシアCPI
05:05ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
16:0012月英CPI
16:00CPIコア指数
小売物価指数(RPI)
16:4512月仏CPI改定値
17:30ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
17:35ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
19:0011月ユーロ圏鉱工業生産
21:00MBA住宅ローン申請指数
22:3011月カナダ製造業出荷
22:3011月カナダ卸売売上高
22:301月米ニューヨーク連銀製造業景気指数
22:3012月米CPI
エネルギーと食品を除くコア指数
23:20バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
24:00カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、質疑応答
16日
00:30EIA週間在庫統計
02:00グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演
04:00米地区連銀経済報告(ベージュブック)
09:0112月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格
09:3012月豪雇用統計(失業率/新規雇用者数)
16:0012月独CPI改定値
16:0011月英国内総生産(GDP)
16:0011月英鉱工業生産/製造業生産高
16:0011月英商品貿易収支/英貿易収支
19:0011月ユーロ圏貿易収支
21:30欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(12月12日分)
22:1512月カナダ住宅着工件数
22:3012月米小売売上高
22:3012月米輸入物価指数
22:301月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
22:30前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
24:0011月米企業在庫
24:001月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数
17日
11:0010-12月期中国GDP
11:0012月中国鉱工業生産
11:0012月中国小売売上高
16:0012月英小売売上高
18:0011月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
19:0012月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
19:0012月ユーロ圏HICPコア改定値
22:3011月対カナダ証券投資
22:3012月米住宅着工件数
建設許可件数
23:1512月米鉱工業生産指数
設備稼働率
18日
06:0011月対米証券投資動向
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。