ニューヨーク外国為替市場概況・15日 ユーロドル、4日続伸

 15日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは4日続伸。終値は1.0945ドルと前営業日NY終値(1.0830ドル)と比べて0.0115ドル程度のユーロ高水準だった。欧州中央銀行(ECB)はこの日、定例理事会を開き市場予想通り0.25%の利上げを決めたと発表。声明では「理事会は今後の決定でインフレ率を目標の2%へ戻すため政策金利が十分に制約的な水準になるよう確実にする」と指摘し、インフレ抑制へ一段の引き締めを示唆した。また、ラガルドECB総裁は理事会後の会見で「7月も利上げを継続する可能性が極めて高い」「(利上げの)一時停止は検討していない」などと語った。
 米連邦準備理事会(FRB)が前日に利上げを見送った一方、ECBは利上げを継続。欧米金利差縮小への思惑からユーロ買い・ドル売りが優勢になると、一時1.0953ドルと5月11日以来約1カ月ぶりの高値を更新した。

 ドル円は小反発。終値は140.29円と前営業日NY終値(140.09円)と比べて20銭程度のドル高水準だった。ただ、NY市場に限れば上値の重さが目立った。ECB定例理事会の結果とラガルド総裁の発言が伝わると、対ユーロ中心にドル安が進行。円に対してもドル売りが先行し、一時140.16円付近まで下押しした。米長期金利の低下も相場の重しとなった。
 なお、米10年債利回りは一時3.70%台まで低下した。前日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が公表した政策金利見通し(ドット・チャート)では年内に0.25%の利上げが2回実施される可能性が示唆されたものの、市場では「米CPIや米PPIの下振れを踏まえるとFRBが再度利上げに踏み切ることには懐疑的」との声が聞かれた。

 ユーロ円は4日続伸。終値は153.55円と前営業日NY終値(151.73円)と比べて1円82銭程度のユーロ高水準。利上げを継続するECBと、金融緩和策の継続が見込まれる日銀との金融政策の方向性の違いが意識されて、円売り・ユーロ買いが優勢となった。4時30分前に一時153.69円と2008年9月以来15年ぶりの高値を付けた。

 代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは堅調だった。前日NY市場終盤に急落した反動で買い戻しが優勢となり、対ドルで2万5484ドル前後、対円で357万円台まで反発した。「資産運用会社のブラックロックはビットコインの価格に連動した上場投資信託(ETF)の上場申請を準備している」との観測報道も買い戻しを誘った。

本日の参考レンジ
ドル円:139.94円 - 141.50円
ユーロドル:1.0804ドル - 1.0953ドル
ユーロ円:151.61円 - 153.69円

(中村)
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