株式明日の戦略-強弱感が交錯するも3日続落、25日線が支えとなるかが焦点に

 26日の日経平均は3日続落。終値は82円安の32698円。米国株安を嫌気して3桁下落スタート。序盤では下方向に勢いがつき、下げ幅を400円近くまで広げた。32300円台に突入したところでは鋭角的に切り返してプラス転換。10時台半ばには上げ幅を3桁に広げた。高くなったところでは戻り売りに押されて伸び悩むと、そこからはプラス圏とマイナス圏を行き来する展開。振れ幅が大きかった前場とは対象的に、後場は前営業日を挟んでの一進一退が続いた。引け間際にまとまった売りに押されたことから、マイナスかつ後場の安値圏で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆2600億円。業種別では海運、化学、金属製品などが上昇している一方、電気・ガス、卸売、銀行などが下落している。川崎汽船<9107.T>など海運大手3社がそろって大幅上昇。反面、ソシオネクスト<6526.T>が10.2%安と急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり632/値下がり1134。産業革新投資機構による買収観測が伝わったJSRがストップ高比例配分。半導体材料関連として応化工や東洋合成が連れ高し、SUMCOや信越化学などにも資金が向かった。JTやブリヂストンなど6月が権利確定月となる銘柄が堅調。証券会社が目標株価を引き上げたニコンが大幅高となった。「Nintendo Switch」向けタイトルの累計販売本数が10万本を突破したことを発表したボルテージが、ストップ高をつける場面もあるなど急騰した。

 半面、丸紅、三菱商事、三井物産など大手商社株が商いを伴って下落。レーザーテックやアドバンテストなど半導体装置関連が売りに押された。決算が失望材料となった日本オラクルが7.7%安。カバー、ビジョナル、フリーなどグロース市場の主力どころが大幅安となった。アイデミーがストップ安となったほか、リアルゲイト、OBシステム、Globeeなど直近上場銘柄の多くが急落した。

 上場2日目で高い初値をつけたARアドバンストテクノロジは、場中はストップ安となる場面があり、終値は初値を大きく下回った。名証ネクスト市場に新規上場したQLSホールディングスは公開価格を上回る初値をつけて、終値も初値を上回った。グロース市場に新規上場したブリッジコンサルティンググループは、買いが殺到して初値は持ち越しとなった。

 日経平均は3日続落。300円以上下げたところからプラス転換したものの、買いが続かなかった。JSRの買収観測から半導体材料関連が賑わうなど、新味のある材料は出てきている。また、海運株が大幅高となるなど、地合いが悪化する中でも買えるものを探そうという物色意欲の強さは伺える。ただ、プライム市場では終わってみれば値下がり銘柄の方が多く、まだ警戒感は強い。ローソク足で陽線を形成したことは期待の持てる動きで、25日線(32210円、26日時点)辺りで売り圧力が和らいでくるかどうかが目先の焦点となる。
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