NYマーケットダイジェスト・12日 CPI下振れで金利低下・株高・ドル安

(12日終値)
ドル・円相場:1ドル=138.50円(前営業日比▲1.86円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=154.14円(▲0.38円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1129ドル(△0.0120ドル)
ダウ工業株30種平均:34347.43ドル(△86.01ドル)
ナスダック総合株価指数:13918.96(△158.26)
10年物米国債利回り:3.86%(▲0.11%)
WTI原油先物8月限:1バレル=75.75ドル(△0.92ドル)
金先物8月限:1トロイオンス=1961.7ドル(△24.6ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数(前週比)   0.9%      ▲4.4%
6月米消費者物価指数(CPI)
前月比                0.2%       0.1%
前年比                3.0%       4.0%
エネルギーと食品を除くコア指数
前月比                0.2%       0.4%
前年比                4.8%       5.3%

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は5日続落。6月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.2%/前年同月比3.0%と予想の前月比0.3%/前年同月比3.1%を下回ったことが伝わると、米金利の低下とともに全般ドル売りが進行。米10年債利回りが3.84%台まで低下したことも相場の重しとなり、1時前に一時138.16円と5月22日以来の安値を付けた。市場では「日銀が現行の金融緩和策を修正するとの観測も根強く、円買い・ドル売りを誘った」との声も聞かれた。

・ユーロドルは5日続伸。米CPIが予想以上に鈍化したことを受けて全般ドル売りが優勢となった。3時30分過ぎに一時1.1140ドルと昨年3月以来の高値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時100.51と昨年4月以来の安値を記録した。

・ユーロ円は7日続落。ただ、NY市場に限ればドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、大きな方向感が出なかった。21時30分過ぎに一時153.49円と6月16日以来の安値を付けたものの、22時過ぎには154.28円付近まで下げ渋っている。

・カナダドル円は頭が重かった。ドル円の下落につれた円買い・カナダドル売りが優勢になると、24時30分過ぎに一時104.79円と日通し安値を更新した。
 なお、カナダ銀行(BOC)はこの日、市場予想通り政策金利を現行の4.75%から5.00%に引き上げることを決めたと発表。声明では「コアインフレの動向と物価見通しを引き続き評価する」「超過需要やインフレ期待、賃金の伸び、企業の価格戦略が物価目標の達成に整合的かどうかをとりわけ慎重に見極める」との文言を維持した。また、マックレムBOC総裁は会見で「必要に応じて、再度利上げする準備ができている」と述べ、利上げ継続の可能性も示唆した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸。6月米CPIが予想以上に鈍化したことが分かると、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが長期化するとの警戒が和らいだ。景気敏感株や消費関連株、ハイテク株などに買いが集まり、相場を押し上げた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日続伸した。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。6月米CPIが予想を下回ったことが分かると、FRBによる金融引き締めが長期化するとの観測が後退し、債券買いが進んだ。

・原油先物相場は続伸。6月米CPIが想定以上に減速していたことを受けて、原油も含めたリスク資産に資金が向かいやすかった。また、米エネルギー省が公表した短期エネルギー見通しで、今年の米国内の原油生産量予測が下方修正されたことも買いの勢いを強めた。

・金先物相場は続伸。序盤に発表された6月米CPIが前回からの鈍化予想を更に下回ると、米金利低下とドル安が大きく進んだ。金利が付かず、またドル建ての金にとっては追い風となり、一気に上値を伸ばしてその後も底堅く推移した。

(中村)
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