NYマーケットダイジェスト・18日 株年初来高値・長期金利低下・円失速

(18日終値)
ドル・円相場:1ドル=138.83円(前営業日比△0.12円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=155.89円(△0.01円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1229ドル(▲0.0007ドル)
ダウ工業株30種平均:34951.93ドル(△366.58ドル)
ナスダック総合株価指数:14353.64(△108.69)
10年物米国債利回り:3.78%(▲0.03%)
WTI原油先物8月限:1バレル=75.75ドル(△1.60ドル)
金先物8月限:1トロイオンス=1980.8ドル(△24.4ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
6月米小売売上高
前月比                0.2%      0.5%・改
自動車を除く前月比          0.2%      0.3%・改
6月米鉱工業生産指数(前月比)     ▲0.5%    ▲0.5%・改
設備稼働率              78.9%     79.4%・改
5月米企業在庫(前月比)        0.2%      0.1%・改
7月NAHB住宅市場指数          56        55
5月対米証券投資動向
短期債を含む            ▲1676億ドル  353億ドル・改
短期債を除く             258億ドル    1278億ドル

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は小反発。6月米小売売上高が予想より弱い結果だったことが伝わると、米金利の低下とともに円買い・ドル売りが先行。前日の安値138.00円を下抜けて、21時30分過ぎに一時137.70円と日通し安値を更新した。
 ただ、137円台では押し目を拾いたい向きも多く下げ渋った。植田和男日銀総裁が20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の会見で「持続的、安定的な2%のインフレ達成にはまだ距離がある」などと発言すると、「日銀が今月の金融政策決定会合でイールドカーブ・コントロール(YCC)政策を修正する」との観測が後退。全般円売りが優勢となり、アジア時間の高値138.92円を上抜けて一時139.14円まで値を上げた。
 もっとも、前日の高値139.41円を上抜けることは出来ず、NY午後には138.76円付近まで下押しした。

・ユーロドルは小反落。低調な米小売指標の結果が伝わると1.1269ドル付近まで買い戻される場面もあったが、戻りは鈍かった。欧州時間に伝わったクノット・オランダ中銀総裁の「コアインフレは横ばい状態となったようだ」「(秋以降の利上げについて)あり得るが確実ではない」との発言を受けて、欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続観測が後退する中、2時前に一時1.1209ドルと日通し安値を更新した。

・ユーロ円はほぼ横ばい。クノット・オランダ中銀総裁の発言が相場の重しとなり、一時154.88円と日通し安値を付けたものの、植田日銀総裁の発言が伝わると一転上昇した。23時過ぎには156.11円付近まで持ち直した。ただ、アジア時間に付けた日通し高値156.14円を上抜けることは出来なかった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は7日続伸し、昨年4月20日以来約1年3カ月ぶりの高値となった。6月米小売売上高は予想を下回ったものの、バンク・オブ・アメリカやモルガン・スタンレーなどの決算が好結果だったこともあって買いが優勢となった。米インフレ鈍化を好感した買いも継続し、指数は一時400ドル超上昇した。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続伸し、昨年4月4日以来約1年3カ月ぶりの高値で取引を終えた。

・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。6月米小売売上高や6月米鉱工業生産指数が予想を下回ったことを受けて、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが長引くとの観測が後退すると債券買いが優勢となった。

・原油先物相場は反発。米エネルギー情報局(EIA)が発表した8月のシェールオイル生産高が、昨年12月以来の低水準だったことが月報で伝わったこともあり、原油先物価格は買い戻しが優勢となった。また、6月の米小売売上高は市場予想から下振れしたものの、本日発表された米企業の四半期決算が好結果となり、株式市場が続伸していることも原油先物の買いを促した。

・金先物相場は反発。米中長期債利回りが引き続き低下傾向を辿っていることもあり、金先物は堅調地合いを維持し反発した。また、クノット・オランダ中銀総裁が、秋以降の利上げに慎重な姿勢を見せたことや、カナダの消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったことも買いを促した。

(中村)
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