ニューヨーク外国為替市場概況・8日 ドル円、続伸

 8日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は143.38円と前営業日NY終値(142.50円)と比べて88銭程度のドル高水準だった。市場では「10日の7月米消費者物価指数(CPI)や11日の7月米卸売物価指数(PPI)など、注目度の高い米経済指標の発表を控えて様子見ムードが広がっている」との声が聞かれ、しばらくは143円台前半でのもみ合いが続いた。
 ただ、NY午後に入ると徐々に強含んだ。一時は460ドル超下落したダウ平均が130ドル安程度まで下げ幅を縮めると、投資家のリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ドル買いがじわりと強まった。米10年債利回りが3.98%台から4.03%台まで低下幅を縮めたことも相場を下支えした。アジア時間の高値143.43円を上抜けて一時143.49円まで値を上げた。

 ユーロドルは続落。終値は1.0956ドルと前営業日NY終値(1.1002ドル)と比べて0.0046ドル程度のユーロ安水準だった。イタリア政府が銀行に超過利潤税を課すことを承認したと伝わると、同国の銀行株が急落し欧州株全般に売りが波及。リスク・オフのユーロ売り・ドル買いが強まり、23時過ぎに一時1.0929ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、3日の安値1.0912ドルが目先サポートとして働くと下げ渋った。米国株相場が底堅く推移したことも相場を下支えした。

 ユーロ円は続伸。終値は157.10円と前営業日NY終値(156.79円)と比べて31銭程度のユーロ高水準。イタリア株中心に欧州株が軟調に推移したことでリスク回避の円買い・ユーロ売りが先行し、20時30分過ぎには156.35円と本日安値を付けた。ただ、安く始まった米国株が下げ幅を縮めると買い戻しが優勢に。引けにかけては157.24円付近まで持ち直した。

本日の参考レンジ
ドル円:142.41円 - 143.49円
ユーロドル:1.0929ドル - 1.1011ドル
ユーロ円:156.35円 - 157.75円

(中村)
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