ニューヨーク外国為替市場概況・11日 ドル円、反落

 11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。終値は146.59円と前営業日NY終値(147.83円)と比べて1円24銭程度のドル安水準だった。週末に掲載された読売新聞による単独インタビューで、植田日銀総裁が「マイナス金利政策の解除を含めいろいろなオプション(選択肢)がある」と語ったことをきっかけに、日銀の大規模金融緩和政策の修正観測が広がると週明け早朝取引から円買いが進行。日本時間夕刻に一時本日安値となる145.91円まで下落した。
 ただ、145円台では押し目を拾いたい向きも多く、20時30分前には146.98円付近まで下げ渋った。米10年債利回りが4.30%台まで上昇したことも相場を下支えした。
 もっとも、NY勢が本格参入する時間帯に入ると146円台半ばで値動きが鈍った。今週予定の8月米消費者物価指数(CPI)や8月米卸売物価指数(PPI)、8月米小売売上高など、インフレや個人消費の動向を示す重要指標の発表を控えて、様子見ムードが強まった。

 ユーロドルは続伸。終値は1.0750ドルと前営業日NY終値(1.0700ドル)と比べて0.0050ドル程度のユーロ高水準だった。米長期金利の上昇をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行すると、21時過ぎに一時1.0716ドル付近まで値を下げた。ただ、週明け早朝取引で付けた日通し安値1.0707ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。14日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会を前にポジション調整目的の買いも入り、23時30分前には一時1.0759ドルと日通し高値を更新した。
 米ウォールストリート・ジャーナルのFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者が10日付の記事で、「米連邦準備理事会(FRB)は利上げに慎重になりつつある」との見解を示すと、米金融引き締めが長期化するとの警戒感が緩和。ドル売りを誘った面もあった。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.42まで低下している。

 ユーロ円は反落。終値は157.58円と前営業日NY終値(158.20円)と比べて62銭程度のユーロ安水準。日銀の金融政策修正観測の高まりを背景に円高が進むと、日本時間夕刻に一時156.59円と日通し安値を更新した。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。ドル円の持ち直しやユーロドルの上昇につれた買いが入り、一時157.70円付近まで下げ渋った。

本日の参考レンジ
ドル円:145.91円 - 147.28円
ユーロドル:1.0707ドル - 1.0759ドル
ユーロ円:156.59円 - 157.90円

(中村)
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