ニューヨーク外国為替市場概況・12日 ドル円、反発

 12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は147.08円と前営業日NY終値(146.59円)と比べて49銭程度のドル高水準だった。対欧州通貨を中心にドルが底堅く推移する中、米10年債利回りが上昇に転じたタイミングで円売り・ドル買いが強まり一時147.23円と日通し高値を更新した。ただ、米10年債利回りが再び低下に転じると伸び悩んだ。前日の高値147.28円が目先レジスタンスとして意識された面もあった。
 もっとも、明日13日に公表される8月米消費者物価指数(CPI)で足もとのインフレ動向を確認したいとの思惑から積極的な商いは手控えられたため、大きな方向感は出なかった。

 ユーロドルは小幅ながら3日続伸。終値は1.0754ドルと前営業日NY終値(1.0750ドル)と比べて0.0004ドル程度のユーロ高水準だった。欧州時間発表の独経済指標がさえない内容だったことを受け、独経済成長が減速するとの懸念が高まるとユーロ売り・ドル買いが先行。22時過ぎに一時1.0706ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、節目の1.0700ドルや前週末の安値1.0694ドルがサポートとして働くと買い戻しが優勢に。今週14日に欧州中央銀行(ECB)定例理事会を控える中、関係者の話として「ECBは2024年のユーロ圏インフレ率を3%超に高止まりすると見込む」との報道が伝わると、利上げへの思惑からユーロ買いが活発化。取引終了間際に一時1.0765ドル付近まで値を戻した。
 なお、エコノミスト調査ではECBが政策金利を据え置くとの予想と、0.25%の利上げを実施するとの予想はほぼ拮抗しており、市場関係者からは「ECBは14日の理事会で利上げを巡る難しい判断を迫られる」との指摘があった。

 ユーロ円は反発。終値は158.18円と前営業日NY終値(157.58円)と比べて60銭程度のユーロ高水準。ドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが出たあとは、ECB理事会絡みの報道でユーロ買いが優勢となった。取引終了間際に一時158.29円と本日高値を更新した。

 カナダドルは堅調。WTI原油先物価格が昨年11月以来10カ月ぶりの高値を更新すると、産油国通貨とされるカナダドルに買いが集まった。対米ドルでは1.3544カナダドル、対円では108.67円、対ユーロでは1.4512カナダドルまで上昇した。
 同じく産油国通貨とされるメキシコペソも堅調だった。対ドルでは一時17.2185ペソ、対円では8.54円まで値を上げた。

本日の参考レンジ
ドル円:146.44円 - 147.23円
ユーロドル:1.0706ドル - 1.0769ドル
ユーロ円:157.19円 - 158.29円

(中村)
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