株式明日の戦略-連日の大幅高で33500円台に到達、来週は中銀イベントに注目も好地合いが継続か

 15日の日経平均は大幅続伸。終値は364円高の33533円。

 日経平均は大幅高。高値が33636円まであり、8月高値の33488円や節目の33500円を超えてきた。先週後半からの下げが75日線(32591円、15日時点、以下同じ)や13週線(32492円)辺りまでで一巡しており、一気に流れが良くなっている。14日の米国株は大幅高となったが、その一因となったのが日本企業のソフトバンクGが絡んだ英アームのIPOというのは興味深い。今週、米国は8月のCPI(消費者物価指数)やPPI(生産者物価)を無難に消化したが、来週のFOMCも大きな波乱なく通過できれば、米国株も動きが良くなる可能性がある。米国の長期金利がもう少し低下してほしいところだが、高止まりする中でも米国株が崩れないのであれば、為替が円高には振れづらくなる。日経平均は今週の動きが非常に良かっただけに、ここで足踏みすることなく来週に年初来高値(33753.33円、7/3)を更新する展開に期待したい。


【来週の見通し】
 堅調か。18日が敬老の日による休場で立ち合いは4日。FOMCが19~20日に開催され、日銀金融政策決定会合が21~22日に開催される。中央銀行イベントがクローズアップされる週にはなるが、今回のFOMCでは利上げ見送りが濃厚。今後に関してはデータ次第との従来のスタンスに大きな変化はないと思われる。日銀会合に関しては、色々と報道も出てきており思惑が入り交じるだろうが、何かあるかもしれないという準備ができていることから、政策変更などがあれば金融株買い、なければ金融株以外を買うという反応となり、リスクオフには傾かないと予想する。TOPIXは今週に年初来高値を更新し、日経平均も年初来高値に迫ってきた。地合いが良くなってきたことで、9月の権利取りの買いも盛り上がるだろう。好材料には強く反応し、悪材料には耐性を示すことで、全体では水準を切り上げる展開を予想する。


【今週を振り返る】
 大幅高となった。米8月CPIやECB理事会など米国の長期金利を刺激しそうな材料が中盤以降に出てくるスケジュールであったことから、日経平均は水曜13日までは方向感が定まらなかった。しかし、8月CPIを受けた米国株が落ち着いた反応となったことが安心材料となり、14日は400円を超える上昇。15日は米国株の大幅高を受けて300円を超える上昇となり、この2日間で33000円や33500円など節目の水準を一気に突破した。バリュー株を中心に大型株の動きが良く、TOPIXは年初来高値を更新した。日経平均は週間では反発し、約926円の上昇。週足では陽線を形成した。


【来週の予定】
 国内では、8月貿易収支、8月首都圏マンション発売、8月訪日外国人客数(9/20)、日銀金融政策決定会合(~9/22)、ゲーム見本市「東京ゲームショウ」開幕(幕張メッセ、~9/24)(9/21)、植田日銀総裁会見、8月全国消費者物価指数(9/22)などがある。

 海外の経済指標の発表やイベントでは、米7月対米証券投資(9/18)、FOMC(~9/20)、米8月住宅着工件数、米20年国債入札(9/19)、パウエルFRB議長会見(9/20)、英国金融政策発表、米4-6月期経常収支、米9月フィラデルフィア連銀景気指数、米8月中古住宅販売(9/21)、米9月S&Pグローバル製造業PMI(9/22)などがある。
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