株式明日の戦略-半導体株は軟調もTOPIXはプラス、あすはイベント待ちで様子見か

 19日の日経平均は3日ぶり大幅反落。終値は290円安の33242円。東京市場が休場の間に米国で半導体株が大きく売られる場面があったことから下落スタート。半導体株を中心に主力グロース株が強く売り込まれた一方、バリュー株には買いが入ったことから、300円超下げたところではいったん下げ渋った。しかし、10時辺りからは改めて売りの勢いが強まり、前引けにかけては下げ幅を400円超に拡大。33100円台に突入した。後場は下値は堅くなった一方で戻りは緩慢となり、33200円近辺で動意が乏しくなった。下げ止まり感が出てきた分、後場の高値圏で取引を終了。TOPIXは序盤や終盤の動きが良く、小幅なプラスで終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆1900億円。業種別では海運、鉄鋼、鉱業などが上昇した一方、精密機器、サービス、電気機器などが下落した。日本郵船<9101.T>、商船三井<9104.T>、川崎汽船<9107.T>の海運大手3社がそろって大幅上昇。川崎汽船は全市場の売買代金ランキングで4位となるなど商いも活況となった。半面、東京エレクトロン<8035.T>が5.2%安、レーザーテック<6920.T>が4.7%安、アドバンテスト<6857.T>が4.0%安と、半導体の中でも製造装置関連が軒並み値幅を伴った下落となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1079/値下がり704と、日経平均が300円近く下落する中で値上がりが値下がりを上回った。米長期金利の高止まりを手掛かりに、三菱UFJや三井住友など銀行株が大幅上昇。円安基調の継続が意識され、トヨタ、ホンダ、日産自など自動車株に資金が向かった。神戸鋼や日本製鉄など鉄鋼株にも強い動きが見られた。24.3期から28.3期まで普通配当に加えて特別配当を実施すると発表した丸三証券が、場中値付かずのストップ高比例配分。業界全体で株主還元強化に対する期待が高まり、東洋証券、アイザワ証券G、水戸証券などが急伸した。

 一方、半導体株に対する風当たりが強まる中、ローツェ、芝浦メカ、日本マイクロニクスなど、半導体絡みの銘柄が広範囲に売り込まれた。アーム株の株価下落が嫌気されたソフトバンクGが3.3%安。ビッグモーターによる保有株売却観測が伝わったIDOMが弱く、ネクステージやアップルインターナショナルなど中古車関連全般に売りが波及した。ほか、1Qが減益着地となったアスクルが大幅に下落した。

 日経平均は大幅安。ただ、今の日経平均は半導体株が下に値幅が出る日には、そのあおりを大きく受ける指数となっている。プライムでは値上がり銘柄の方が多く、TOPIXはプラスを確保してローソク足でも陽線を形成。弱かった日経平均もローソク足の実体部分は短く、5日線(33085円、19日時点、以下同じ)は安値(33128円)でも下回らなかった。逆風スタートとなった割には悪くない動きであったと言える。米国ではきょうからFOMCが開催される。東京市場で結果を消化するのは木曜21日となることから、あすは様子見ムードの強い地合いが想定される。5日線より上をキープし、33000円台で値を固めることができるかに注目したい。
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