株式明日の戦略-FOMCと半導体株の動向に注視 ハイテク株の買い戻しにつながるか

 20日の日経平均は続落。終値は218円安の33023円。上昇して取引を開始したものの、米国株安が重荷となり、その後33140円処まで下落した。しばらく小幅安で推移し、一時プラス圏に浮上する場面があったが買いは続かず。再び下げに転じると前場終盤にかけて売りの勢いが強まった。後場に入ると33100円を下回り、下げ幅を広げる展開。FOMC(連邦公開市場委員会)の結果公表を控え、FRBによる金融引き締め長期化を警戒した売りなどに押された。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆400億円。騰落銘柄数は値上がり225/値下がり1581。業種別では陸運のみが上昇。下落では、鉱業や石油・石炭製品、電気・ガス、その他製品、繊維製品などが目立った。
 売買代金上位はまちまち。アドバンテストが上昇したほか、東京エレクトロンが小幅安で半導体関連は底堅く推移した。一方、トヨタやメガバンクなど直近上昇基調にあったバリューセクターの代表格が軟調だったほか、海運株は高値から失速。任天堂やINPEXの下げが目立った。
 値上がり率上位では、増配が好感された丸三証券が連日でストップ高となったほか、日本ケミコンは証券会社による最上位格付けで10%を超える上昇率。今期最終益の上方修正と期末配当予想を増額修正したホットランドが急騰。国内証券が目標株価を引き上げたギフトホールディングスが大幅反発となった。一方、値下がり率上位では、エンプラスが前日に続いて大幅安。コニシやI-PEX、コロワイド、ホソカワミクロンなど8月から上昇が目立った銘柄群が下落率上位に並んだ。IDOMは国内証券によるレーティング引き下げを受けて下値模索となった。

 あすは日本時間で早朝にあるパウエルFRB議長による記者会見の内容が注目される。今回のFOMCでは利上げ見送りが濃厚。今後に関してはデータ次第との従来のスタンスに大きな変化はなさそう。ただ、原油価格が高止まりする中、タカ派的な内容になれば上昇基調にある米長期金利やドル円にとって加速する要因となりかねない。これ以上円安が進行すれば介入実施の思惑を高めることになり、株式市場の上値を抑える要因となる。
 一方、米国株式市場で米SOX指数が相対的に弱い。エヌビディアも直近高値からの調整が続いているほか、最近上場したさえないアームの株価動向も投資家心理を左右しそうだ。米SOX指数は8/17の直近安値に迫っており、下回らずに反転上昇できるかが焦点。割り込むと半導体関連の一段安の要因につながりかねない。
 物色面ではいったんバリューからグロース優位に変化する兆しもうかがえる。20日の業種別ではバリュー業種の一角が売りに押される一方、ハイテクグロース業種の電機機器が上位3位に食い込んだ。日経平均をTOPIXで割ったNT倍率は19日、1月につけた今年の最低水準まで低下しており、中銀イベントを挟んで日経平均優位に転じるかも注目点となる。
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