株式明日の戦略-5営業日で約1845円の下落、3万円割れを回避できるか

 4日の日経平均は大幅に5日続落。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり132/値下がり1690。昨晩、ドル円が150円台に乗せた後に大きく円高に振れるなど為替が不安定になったことを警戒して、トヨタ、日産自、マツダなど自動車株が軒並み大幅安。米長期金利の上昇を受けてアドバンテストやレーザーテックなど半導体株が敬遠された一方で、金利上昇が追い風となる三菱UFJや三井住友など銀行株も大きく売られた。INPEXや日本製鉄などバリュー系の主力銘柄が連日の大幅安。ディフェンシブ性のあるJTも大幅安となるなど、業種・属性問わず幅広い銘柄が売りに押された。

 一方、資生堂、コーセー、ファンケルなど化粧品株が地合いの悪い中で逆行高。花王やユニ・チャームなどもプラスで終えた。決算や株式分割が好感されたクスリのアオキが急伸し、ウエルシア、ツルハ、スギなどドラッグストア株に買いが波及。走行中の電気自動車の給電状況データをアプリで可視化するシステムを東京大学と共同で開発したと発表したカーメイトがストップ高となった。

 グロース市場に2銘柄が新規上場。くすりの窓口は公開価格割れからのスタートとなったものの、終値は初値を上回った。キャスターは買いが殺到して初値は持ち越しとなった。

 日経平均は5日続落。前場のうちから大きく下げて、日銀によるETF買いが入るかもしれないという状況ではあったものの、後場に一段安となって700円を超える下落となった。この5営業日では終値ベースで約1845円の下落。9月15日の高値33634円から、きょうの安値30487円までは3000円を超える下落と、短い期間で下に値幅が出ている。

 ここからもう一段下げると3万円に接近する。3万円を割り込むようならさすがに押し目買いが入るとみるが、週末には米雇用統計の発表があり、東京市場はその結果を確認する前に三連休に入る。3万円割れが今週の話だと、先の市場の空白が意識されて押し目買いよりも見切り売りの方が強めに出てくる展開も想定される。多くの銘柄にかなりの値ごろ感が出てきてはいるだけに、あすは3万円割れを回避できるかに注目したい。
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