株式明日の戦略-大幅高も週間では下落、来週は濃密な4日間

 27日の日経平均は大幅反発。終値は389円高の30991円。

 きょう下げると3万円割れが現実味を帯びていただけに、強かったことは素直に歓迎したい。ただ、こんなに簡単に上げるのであれば、前日の668円安はいったい何だったのかという気持ちもある。日本株は時々半導体がその日の方向性を大きく左右することがあるが、今月、ソシオネクストに久々に大きな動きが出てきて、今週、大型IPO銘柄としてコクサイエレが上場してきたことから、その傾向がより一層強まる可能性がある。

 足元の半導体株は米国の長期金利やフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の影響を受けやすくなっており、米国株以上に米国の金利に神経質な反応を見せることもある。米国の長期金利の水準が高いと、結果的に日本株のボラティリティが高い状況が続きかねない。10年債利回りが5%近辺で推移している割には、グローバルマーケットは比較的落ち着いている。ただし、これ以上の上昇は日本株の暴落リスクを高めることから注意を要する。

【来週の見通し】
 波乱含みか。11月相場に突入するが、3日金曜が文化の日により休場で立ち合いは4日。国内は決算発表ラッシュとなる。ただし、日銀会合が10月30日~31日、FOMCが10月31日~11月1日に開催され、中銀イベントにも気を揉む週となる。FOMCを消化しても、週末には米10月雇用統計の発表が控えており、長期金利の動向に神経質となる地合いが続くだろう。

 今回のFOMCでは利上げは見送られるとみられており、米国の長期金利が低下してくれば、日本株は個別物色が盛り上がる中でリスクオンに傾く公算が大きい。一方、FOMCを消化して米金利が一段と上昇するようだと、三連休を前にリスク回避ムードが強まりやすい。日銀会合に関しては、政策修正などがあった場合には、日本固有のリスクが浮上する点に注意が必要。今週の日経平均は、大きく下げる場面では節目の3万円に接近した。長期金利次第で大幅高か大幅安か極端な動きが出てくる可能性がある。

【今週を振り返る】
 軟調となった。前週末の米国株が弱かったことを受けて、日経平均は週明けの23日に大幅安。節目の31000円を割り込んだ。24日は場中に400円超下げながらもプラスで終え、25日は米国株高を好感して大幅高となった。しかし、米長期金利が大きく上昇し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が大幅安となったことを受けて、26日は600円を超える下落。半導体株を中心にグロース株が派手に売られ、直近安値に接近した。27日は米金利低下を好感して大きく上昇したものの、前日の下げ分は埋められず。週末値では31000円を下回り、週間でも下落した。日経平均は週間では続落となり、約267円の下落。週足では2週連続で陰線を形成した。

【来週の予定】
 国内では、日銀金融政策決定会合(~10/31)(10/30)、日銀が経済・物価情勢の展望を公表、9月失業率、9月有効求人倍率、9月鉱工業生産、9月商業動態統計、9月住宅着工統計(10/31)、10月新車販売台数、10月軽自動車販売台数(11/1)、10月マネタリーベース、10年国債入札(11/2)などがある。

 海外の経済指標の発表やイベントでは、中国10月製造業PMI、FOMC(~11/1)、米8月FHFA住宅価格指数、米8月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米10月消費者信頼感指数(10/31)、中国10月財新製造業PMI、パウエルFRB議長会見、米10月ADP全米雇用リポート、米9月JOLTS求人件数、米10月ISM製造業景気指数(11/1)、英国金融政策発表、米9月製造業受注(11/2)、米10月雇用統計、米10月ISM非製造業指数(11/3)などがある。
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