ロンドン為替見通し=月末フローや指標・発言に注意しつつ、まずは日銀総裁会見

 本日のロンドン為替市場では、月末に絡んだフローに注意しつつ、幾つかの経済指標や欧州金融当局者の講演内容を見定めながらの取引か。ただその前にまずは、序盤に行われる植田日銀総裁の定例記者会見を受けた円相場の動向が注目される。
 
 植田総裁は金融政策について「経済・物価・金融情勢に応じて機動的に対応」としながらも、「粘り強く金融緩和を実行する」と言い続けている。その口調に変化があるのか、また質問されるであろう「出口戦略」についての答えなどがポイントとなりそうだ。また、19時には財務省が月次の介入実績(外国為替平衡操作の実施状況)を公表する。これらを受けて円安が加速した場合、水準的にも本邦当局による円買い介入に気を付ける必要があるだろう。

 経済指標では、ユーロ圏の域内総生産(GDP)と消費者物価指数(HICP)が結果次第で相場の動意に繋がるだろう。それぞれ速報値であり、日本時間19時に発表予定。7-9月期分となるGDPの前期比は、前回・前々回の0.2%上昇から下振れて横ばい見込みだ。もし予想より弱い結果となればマイナス成長であり、昨日持ち直したユーロドルの腰折れにつながってしまうか。

 10月HICPは前年比総合が3.1%と前回4.3%から大幅な減速が予想されている。見込み通りであれば、2021年8月以来の低水準。ただ当時は同指数コアが1%台であり、4%台の現在とは状況が違っている。そのHICPコアは前年比4.2%予想と前回から0.3ポイント低下予想。インフレの先行きを探るには、コアの低下幅により注意が必要かもしれない。

 金融当局者の講演は、ニューヨーク勢の参入前にスペインやイタリア、エストニアの中銀総裁、参入後にはドイツ連銀総裁とデギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁のが予定されている。

想定レンジ上限
・ユーロドル、24日高値1.0694ドル
・ユーロ円、ピボット・レジスタンス2の159.52円

想定レンジ下限
・ユーロドル、26日安値1.0524ドル
・ユーロ円、90日移動平均線157.45円


(小針)
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