東京為替見通し=ドル円、調整売りが一巡し円安地合いは継続

 昨日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅に続伸した。米国市場が感謝祭の祝日で休場とあって値動きは鈍かったが、円安の流れを引き継ぎ149.69円まで高値を更新した。ユーロドルは1.0887ドルを安値に下げ渋り、1.09ドル前半での小動きとなり、ユーロ円は163.19円まで上値を伸ばした。

 商品先物取引委員会(CFTC)が先週末に発表した投機筋の通貨先物ポジションで、円ショートポジションは6年ぶりの高水準となり、先週末から今週前半は米感謝祭を控えポジション調整が進み、ドル円は一時9月中旬以来の安値となる147.15円まで下押した。売りが一巡すると22日には149.75円まで切り返し、149円台で底堅い動きとなっており、1週間ぶりに150円大台を回復できるかが注目される。

 米10年債利回りが約2カ月ぶりの低水準から戻りが鈍い。米連邦準備理事会(FRB)による利上げサイクル終了観測の高まりで全般ドルの重い動きが続いており、ドル円が再び上値レンジを切り上げる動きになれるかどうかは定かではない。ただ、ポジション調整が一巡し、円の先安感は根強いなか、クロス円の動き次第ではドル円が150円大台を回復し、再び昨年10月21日に記録した1990年7月以来の高値151.95円を意識した動きとなることも念頭に置きたい。

 東京市場で発表予定の10月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)の予想は前年比+3.0%で、9月の同+2.8%から伸び率の上昇が見込まれている。ただ、市場予想と大きく乖離しない限り、反応は鈍いだろう。10月末の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、日銀は2023年度の消費者物価指数(CPI、除く生鮮食品)見通しを+2.8%(7月は+2.5%)、24年度を+2.8%(7月は+1.9%)、25年度を+1.7%(7月は+1.6%)とした。東京タイムでは中国人民銀行(中央銀行)が発表する人民元の基準値に留意したい。最近、同基準値の結果を受けて対人民元でのドルの動きが敏感になっており、他の通貨の動きにも影響を与えている。

(金)
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