NY為替見通し=ドル円、投機筋の持ち高調整の進み具合 カナダCPIも前半の材料に

 本日のニューヨーク為替市場でもドル円は、米中長期債利回りの動向に注視しながら、投機筋の持ち高調整の進み具合を探りながらの取引となりそうだ。

 先週末に商品先物取引委員会(CFTC)が発表した投機筋の先物ポジションは、ネット円ショートが約6年ぶりの水準まで拡大していた。このところの下落で持ち高調整は進んでいるとは思われるが、「山高ければ谷深し」という格言もあるように、米金利次第ではズルズルと下値を試す展開もあり得るか。

 北米相場の材料として、カナダから10月消費者物価指数(CPI)が発表予定。カナダ中銀(BOC)12月会合の前としては最後の主要インフレ指標となる。市場予想は前年比+3.2%と9月+3.8%からの伸び率鈍化が見込まれている。カナダ経済が頼るところが大きい「米国」のインフレ指標が予想より下振れたこともあり、弱めの結果に対する準備もしておきたい。

 カナダ中銀は2会合連続で据え置きを決定した10月会合でも、追加利上げには含みを持たせていた。しかしながら、このところ市場は金利先安観を強めており、結果次第でカナダ金利の低下圧力が増すようならば、カナダドルの重さにも繋がりそうだ。

 ニューヨーク午後、日本時間では22日4時になるが、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(10月31日-11月1日分)が公表される。流動性が薄くなる時間帯でもあり、内容次第でドルが荒い値動きとなるかもしれない。

 10月31日-11日1日のFOMCでは、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が2会合連続での据え置きが決定された。決定は全会一致。声明文では、金融政策が経済活動やインフレ、経済・金融の動向に影響を与えるまでのラグを踏まえ、追加措置を検討する上で過去の利上げの影響の進展を注視している、と言及された。

 「経済活動は第3・四半期に力強い(strong)ペースで拡大した」として、9月会合時点に示した「堅調な(solid)ペース」から判断が引き上げられた。議事要旨では、12月会合での利上げの可能性、長期金利の上昇が利上げに代替との説に関する見解に要注目となる。

・想定レンジ上限
 ドル円は昨日安値148.10円付近。その上が日足一目均衡表・雲の上限148.66円。
 加ドル円は本日高値108.15円。

・想定レンジ下限
 ドル円は日足一目均衡表・雲の下限の145.84円。
 加ドル円は9月1日安値106.68円。
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