NY為替見通し=ドル円、一段調整が進んでも149円台では買いが入りやすい

 昨日に150.78円まで年初来高値を更新したドル円は、本日これまで150.41円を頭にやや調整の売りが優勢となり、150円割れまで下押した。今晩は米9月PCE(個人消費支出)デフレーターや、9月個人消費など注目指標の発表が予定されている。特にPCEデフレーターは米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視しているため注目度が高い。

 PCEデフレーターは前月比で8月に+3.9%と前月から伸びが一段と高まったが、9月は伸び率が縮小し、前年比では小幅ながら伸び率の低下が続くと見込まれている。予想比強い結果となれば、年内にあと1回利上げを想定する思惑が強まる可能性がある。そうなれば、米長期金利の上昇に伴いドル円は、日本当局の円買い介入を警戒しつつ150円台で上値を試す動きが予想される。弱い結果となればドル円は一段と調整売りに押されるも、依然として押し目買い意欲も強そうだ。昨日の動きで150円台での介入警戒感はやや緩んでいることもあり、下値のレンジを切り上げ149円台では買いが入りやすい。

 米指標結果を受けた動きが一段落すれば、本日は週末ということもあり、来週に日米金融政策イベントを控え徐々に手控えムードが広がりそうだ。来週の日銀金融政策決定会合では、24年度の消費者物価指数の見通しを引き上げやイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)政策の再修正などの思惑が出ている。また、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利の据え置きが見込まれるも、市場は12月会合で追加利上げがあるかどうかのヒントを得ようとしている。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値めどは昨日26日につけた年初来高値150.78円やレジスタンス2の151.20円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値めどは21日移動平均線149.55円や24日安値149.32円。

(金)
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