NY為替見通し=ドル円、米小売売上高に注目

 本日これまでのドル円は149円半ばを中心に狭いレンジで推移していたが、「日銀は2023年度の物価見通しを上方修正する見込みであり、3%に近づく」との一部報道を受けて一時148.84円まで急落した。ただ、反応は一時的ですぐに149円半ばまで持ち直している。

 米10年債利回りは6日に2007年以来の高水準となる4.88%台まで上昇した後は上げが一服するも高値圏での推移が続いている。市場で米連邦準備理事会(FRB)による年内利上げ確率は4割程度を維持されているほか、FRBが長い期間に渡って高金利を維持するとの見方も強く、日銀との政策格差を意識したドル高・円安地合いは変わっていない。

 日本当局が円買い介入に踏み切っても「効果は一時的」でドル高・円安の流れは阻止できないとの見方が強いものの、ドル円の150円超え水準では介入の可能性が高まるだけに「介入待ちムード」も強い。介入が入りドル円が下落したところで買いを入れたいと、「早く介入してください」との思いで眺めている投資家も少なくない。

 NY市場では9月米小売売上高の結果に注目。前月比では6カ月連続のプラス予想も、前月の+0.6%から伸び率の低下が見込まれている。弱い結果となれば、ドル円は素直に売りが入りそうだが、強い結果となれば150円を試す動きと介入警戒感での売りと神経質な動きになる可能性がある。また、中東情勢やウイリアムズ米NY連銀総裁の発言にも注目。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値めどは12・13日の高値149.83円や3日につけた年初来高値150.16円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値めどは本日これまでの安値148.84円。

(金)
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