NY為替見通し=ドル円、米金利の動向に振らされる展開か

 本日のニューヨーク為替市場でドル円は、米金利の動向に振らされる展開か。序盤に発表される4-6月期米単位労働コスト・速報値(予想:前期比2.5%)は、1-3月期の結果にも米債券市場が反応したためまずは注目したい。前四半期より鈍化が予想されているものの、もし減速幅が想定より小さい場合には(つまり、コスト高)、需給要因で米中長期債に売り(利回り上昇)圧力が強まっているため要注意か。

 昨日は大手格付け会社フィッチによる米国債格下げのほかに、米財務省が発表した四半期定例入札の規模が前回からの拡大予想を更に上回った。また財務省は発行規模の拡大が来年も続く可能性が高いとの見通しを示した。時間外の米10年債利回りは昨年11月以来の水準となる4.16%台まで上昇している。

 その他、単位労働コスト・速報値と同時に前週分の新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.5万件/170.0万人)、米株寄り後には7月サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:53.0)などが発表される。それぞれ予想から上下に振れるようであれば、市場のリスクセンチメントの強弱につながりそうだ。東京から欧州の流れが続くようであれば、弱い結果に相場は敏感かもしれない。

 なお金融当局からは、バーキン米リッチモンド連銀総裁の講演が序盤に予定されている。

想定レンジ上限
・ドル円は本日高値143.89円、その上は7月7日高値144.20円。

想定レンジ下限
・ドル円は142.37円まで上昇してきた日足一目均衡表・雲の上限から1日安値142.21円が支持帯。


(小針)
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