NY為替見通し=ドル円、米6月CPIの下振れに要警戒か

 本日のNY為替市場のドル円は、米6月消費者物価指数(CPI)の結果次第で動意がかなり高まりそうだ。CPIは前年比+3.1%予想と、5月分+4.0%からの伸び率鈍化が見込まれている。

 米国の6月のインフレ指標は以下の通り、インフレ懸念の鎮静化を示している。
・ミシガン大学消費者信頼感指数での1年先のインフレ期待:3.3%
・ニューヨーク 連銀調査の1 年後のインフレ期待:3.8%
・ISM製造業「価格」指数:41.8(5月44.2)
・ISM非製造業「価格」指数:54.1(5月56.2)

 すなわち、6月CPIが予想より鈍化が進む可能性が示唆されている。もし前年比+2%台へ低下していた場合は、7月25-26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での2回連続のタカ派的スキップ(見送り)の可能性を高めることになる。ドル円は、昨年の秋の「CPIショック」の再現となり、円・キャリートレードの手仕舞いがさらに進むことが予想される。

 逆に予想比で上振れた場合、前回から減速していたとしても、期待が先行し過ぎた分だけドル買い戻しが進むかもしれない。ただ反発局面があった場合でも、その幅は限定的か。というのも、27-28日に開催される日銀金融政策決定会合で、イールドカーブコントロール(YCC)の変動幅が拡大されるのではないか、との警戒感が高まっているからだ。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、7月10日の安値の141.28円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、日足一目均衡表・雲の上限の138.45円。
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。