東京為替見通し=ドル円、NY株高や米金利上昇で底堅い展開か FOMC声明を控える

 13日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、5月米消費者物価指数(CPI)が前年比+4.0%と2021年3月以来の低水準を記録したことで139.01円まで下落。しかしながら、その後は米金利上昇を受けて140.31円まで反発した。ユーロドルは、欧米金利差縮小への思惑から1.0824ドルまで上昇後に1.07ドル台後半まで上げ幅を縮めた。ユーロ円も151.38円まで上昇した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回りの上昇を受けて底堅い展開が予想される。ただし、明朝3時に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)声明を控えて上値は限定的だと思われる。

 ドル円は、5月30日の高値140.93円と6月1日の安値138.45円を底辺とする三角保ち合いを上抜けており、上昇トレンドが再開する可能性が高まりつつある。すなわち、7月FOMCでの利上げ観測や15-16日の日銀金融政策決定会合での大規模金融緩和策の継続観測を背景にした上昇トレンドの再開が予想される。

 米5月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.1%/前年比+4.1%と発表され、4月の前年比+4.9%から伸び率が減速し、昨年6月の前年比+9.1%をピークにした伸び率鈍化傾向が確認された。しかし、コアCPIが前年比+5.3%と発表され、4月の同比+5.5%から低下したものの、鈍化ペースが緩慢だったことで、7月のFOMCでの利上げ観測は払拭されていない。また、5月のインフレ調整後の実質平均時給が前月比+0.3%と今年最高の伸び率を記録したことも、7月の利上げの可能性を高めている。

 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、東京時間の明朝3時に発表されるFOMC声明では5.00-25%での据え置きがほぼ確実となり、7月のFOMCでは5.25-50%への利上げ確率は60%台となっている。

 米CPIの原数値をみると、昨年5月の291.268から今年5月は303.294まで拡大していた(つまり、+4.1%)。昨年6月は294.728まで上昇していたため、今年6月が5月同様に前月比+0.1%ならば、前年比+3.9%へ低下することになる。7月のFOMC前のCPI発表時には警戒しておきたい。

 FOMCでは、先日、次期FRB副議長に指名されているジェファーソンFRB理事がタカ派的な利上げ休止を示唆していたように、据え置きが見込まれている。注目ポイントは、7月FOMCでの利上げへの言及やドット・プロット(金利予測分布図)でのターミナルレート(利上げの最終到達点)の水準となる。



(山下)
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