NY為替見通し=ドル円、米GDP反応後は日銀会合待ちか

 NYタイムでドル円は、欧州中央銀行(ECB)理事会の金融政策イベントを受けたユーロドルの動きや、米4-6月期GDPやコアPCE速報値などの指標結果に注目。昨日、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が会見で今後追加利上げに踏み切るかどうかは「データ次第」と強調し、米指標の結果はFRBの金融政策見通しの思惑につながる可能性がある。

 米経済指標への反応が一巡すると、ドル円は明日28日に日銀政策決定会合を控え徐々に様子見ムードが広がりそうだ。昨日の米連邦公開市場委員会(FOMC)はほぼ無風通過した。FRBは市場予想通りに0.25%の利上げを実施し、声明内容は前回から大きな変化はない。今後、追加利上げの可能性は残され、利上げの行方は消費者物価指数(CPI)の伸びの鈍化が継続するかどうかがカギとなるが、昨日のFOMCを通過し市場では利上げサイクルの終焉に一段と近づいたとの見方が強まっている。

 また、日銀の政策修正に関しては植田日銀総裁の発言を受けて思惑が後退したものの、オプション市場で円の急騰に対するヘッジを強化する動きが見られるなど、依然として警戒感は残されている。国際通貨基金(IMF)は今週、日本のインフレリスクは上昇傾向にあり、日銀は引き締めを開始する必要性に備える必要があるとの見解を示した。明日の日銀会合ではイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)政策の見直しの有無が最大の焦点となるが、YCC修正がなかったとしても、インフレ見通しを修正するなどタカ派寄りの内容となれば、次回会合での政策修正観測が高まり、円買いが強まる可能性がある。

 昨日のFOMCを通過した後に全般ドルの上値が重い一方で、日銀会合への警戒感が円の支えとなっており、NYタイムでのドル円は下方向への動きが警戒される。

・想定レンジ上限
 ドル円は日足一目均衡表・雲の上限140.69円や同基準線141.16円が上値めど。

・想定レンジ下限
 ドル円は本日これまでの安値139.38円や19日安値138.77円が下値めど。

(金)
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