NY為替見通し=ドル円、明日に日銀会合控え堅調維持か

 欧州タイムに入って円売りの勢いは緩むも、ドル円は141.50円まで昨年11月以来の高値を更新した。その後は調整の売りに押されるも、140円後半で下げ渋っている。

 昨日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げをいったん停止したものの、今年にあと2回の追加利上げの可能性が示唆され、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「利下げについては2年ほど先の話」と発言し、年内の利下げ思惑は大きく後退した。ただ、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、まだ1回の年内利上げを織り込んでいる状況であり、市場参加者が2回の利上げ予想に修正を強めると、一段とドル高・円安が進む可能性がある。

 また、本日はこの後欧州中央銀行(ECB)理事会の結果公表のほか、米5月小売売上高や6月フィラデルフィア連銀製造業景気指数など注目指標の発表も予定されている。ECBの0.25%利上げが織り込まれており、注目は今後の利上げ余地を見極めることであり、引き締め長期化思惑が高まれば、ユーロ円主導でドル円も一段と上昇基調を強める可能性がある。米経済指標が弱い結果となれば、いったんドル売り・円買いで反応し、大きく上昇したドル円に調整が入る可能性がある。ただ、明日の日銀金融政策決定会合では緩和策の継続が見込まれており、日米金融政策の格差を背景に押し目では買いが入りやすく、下値は限られそうだ。

・想定レンジ上限
 ドル円は昨年11月23日の高値141.61円や同21日高値142.25円が上値めど。

・想定レンジ下限
 ドル円は13日の高値140.31円や本日これまでの安値139.94円が下値めど。

(金)
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