NY為替見通し=ドル円、イベント待ちで方向感鈍いか

 欧州タイムに入り、欧州通貨やオセアニア通貨を中心にドル売りが優勢となり、ドル円は上値の重い動きとなるも、139円前半で下げ渋っている。

 今週、市場の目線は米連邦公開市場委員会(FOMC)、欧州中央銀行(ECB)理事会、日銀金融政策決定会合に向けられており、注目イベントを前に積極的な取引は控えられる。また、本日のNY市場で主な経済指標の発表や注目のイベントは予定されておらず、明日は米5月消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることで、ドル円はなお方向感が出にくい。イベント待ちムードが強いなか、ドル円は米債・米株の動きを眺めながら139円台を中心に小幅の上下にとどまりそうだ。

 明日の米5月CPIが予想外にインフレ加速を示す内容とならなければ、市場では今週のFOMCで利上げをいったん停止するとの見方が強い。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、今週のFOMCで据え置き予想が7割超、0.25%の利上げ予想が2割超となっている。ただ、6月に利上げを停止しても7月FOMCでは利上げを再開するとの見方が強い。米5月CPIや今週のFOMCを消化し、この市場の見方にどんな変化が出るかに注目したい。また、日銀は緩和策の継続が見込まれ、イールドカーブコントロール(YCC)の運用修正もないとの見方が強い。

・想定レンジ上限
 ドル円は8日の高値140.23円が上値めど。

・想定レンジ下限
 ドル円は先週末9日安値138.76円が下値めど。

(金)
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