NY為替見通し=ドル円、神経質も方向感は出にくいか

 本日のドル円は、昨日NY市場の流れを引き継ぎ売りが先行するも132.17円を安値に下げ渋り、133円手前まで切り返した。欧州タイムでは132円半ばを下押し水準に133円台まで反発するも、一巡後は再び132円後半で伸び悩んだ。

 欧米金融リスクへの警戒感が和らぎ、ドル円は先月後半から買い戻しが優勢となっている。しかしながら3月中旬に米2銀行が破綻する前に比べ、米連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な金融引き締め思惑は後退しており、足もとでドルの上値は重く、ドル円は積極的に買い進める地合いにはなりにくい。欧米銀行セクター関連で新たな悪材料は出ていないものの、信用リスクへの懸念は完全に払しょくされたわけではなく、米金利先物市場ではFRBが5月米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを停止するとの思惑は根強く、据え置きと0.25%利上げがほぼ拮抗している。また、パウエルFRB議長やFRB高官らが年内の利下げはないとのメッセージを出しているものの、市場は依然としてFRBが年後半に利下げに踏み切るとの思惑も強い。

 足もとでドル円は米長期金利の動向を眺めながら神経質な動きも、リスクオフ後退による買い戻しも一巡し方向感は出にくく、週末の米雇用統計などを確認しながら再び今後の米金融政策を見極める展開となりそうだ。本日は2月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数や2月米製造業新規受注などの発表が予定されている。市場予想と大きくぶれない限り、反応は限られそうだが、最近の米経済指標はやや低調な結果が目立ち、本日の米指標もネガティブ結果に注意したい。

・想定レンジ上限
 ドル円は日足一目均衡表・基準線133.78円近辺が上値めど。

・想定レンジ下限
 ドル円は本日これまでの安値132.17円や日足一目均衡表・転換線131.70円が下値めど。

(金)
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