NY為替見通し=ドル円、市場の不安収まらず下方向への警戒感続く

 スイス当局の主導でUBSがクレディ・スイスの買収を速やかに決定したことなどを好感し、ドル円は買いが先行するも失速。欧州タイムに入ると、ダウ先物・米長期金利の低下幅拡大の動きを眺めながらリスクオフの円買いが強まり、ドル円は130円半ばまで大きく値を下げた。

 米連邦準備理事会(FRB)や日銀など主要6中銀は本日早朝にドル資金供給の拡充策を発表した。欧米金融システムへの不安が高まっている市場に対し、主要中銀は結束して対応しているとのメッセージを発したが、市場の動揺は収まっていない。クレディ・スイスの買収で合意したUBSの株価は大幅下落した。本日これまでも世界的な株安・金利高となり、コモディティ市場では原油安・金高が進むなど、金融市場全般にリスクオフの動きが加速しており、ドル円は下方向への警戒感が続く。ドル円は大幅下落の反動で調整の買い戻しがあるとしても、金融不安への警戒感は急速に静まる可能性は低く、戻り局面は売り圧力が強いと想定される。

 今週、21-22日には米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えているが、FRBが利上げを見送るとの見方が強まっていることも、ドル円の重し。銀行セクターの不安を受けて、3月FOMCでの米金利決定をめぐる見方は目まぐるしく変化している。先週末は0.25%の利上げ予想が優勢だったが、ここに来て0.25%利上げと据え置きがほぼ拮抗。FRBがいったん利上げを停止し、銀行システムの流動性安定化に集中するとの見方が強まっている。

・想定レンジ上限
 ドル円は本日これまでの高値132.65円が上値めど。

・想定レンジ下限
 ドル円は2月10日の安値129.81円や2月2日安値128.09円が下値めど。

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