NY為替見通し=11月米小売売上高や米新規失業保険申請件数などに要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、米10年債利回りの動向を注視しながら、11月米小売売上高や米新規失業保険申請件数などを見極めていくことになる。

 米10年債利回りは、来年の米連邦公開市場委員会(FOMC)での3回の利下げ(x▲0.25%=▲0.75%)が示唆されたことで、4.0%を割り込んでいる。本日は、米10年債利回りの動向を注視しながら、ドルの下値を探っていくことになる。

 11月米小売売上高は前月比▲0.1%、自動車を除くは前月比▲0.1%と予想されている。予想を下回った場合、米国の景況感への警戒感が高まることで、フェドウオッチが予想している来年3月のFOMCでの利下げ開始時期が前倒しされる可能性が高まることになる。アトランタ連銀の経済予測モデル『GDPナウ』では、10-12月期GDP予想が+1.2%を示しており、景況感悪化が示唆されている。

 前週分の米新規失業保険申請件数の予想は22.0万件、失業保険継続受給者数の予想は188.7万人となっている。12月の雇用統計の調査対象週である12月12日の数字ではないものの、米国の雇用情勢を見極める意味で、ネガティブサプライズに警戒しておきたい。

 ドル円のテクニカル分析では、エリオット波動での最終5波動となる「斜行三角形」が完成しており、目標値137.25円が点灯している。

 欧州中央銀行(ECB)理事会では、政策金利の据え置きが予想されており、注目ポイントは、来年春辺りでの利下げ開始を見込んでいる市場への対応となる。
 米連邦準備理事会(FRB)のようにFEDピボットとなるのか、それともタカ派的なスタンスを維持するのか要注目となる。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、12月14日の高値の142.90円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、7月20日の安値の139.11円。


(山下)
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