株式明日の戦略-全面高で一時36000円台を回復、ブルトレンドに変化なし

 15日の日経平均は大幅に6日続伸。終値は324円高の35901円。先週末の米国では3指数がまちまちで終えており、序盤では上昇スタートから下げに転じる場面もあった。しかし、マイナス圏で推移する時間は短く、下値の堅さを確認すると上げ幅を広げる展開。幅広い業種に買いが入り、前場のうちに35800円台まで水準を切り上げた。後場に入って13時過ぎには400円超上昇し、36000円台に到達。36000円を上回ったのは一瞬であったが、その後は大きな失速もなく、35900円近辺でのもみ合いが続いた。前場では強めに売られる場面もあったグロース250指数も、後場には持ち直してプラスで終了した。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆0100億円。業種別では海運、証券・商品先物、電気・ガスなどが大幅上昇。下落は空運のみで、サービスやゴム製品などの上昇が限定的となった。紅海周辺の緊張の高まりを手がかりに海運株買いが活況となっており、川崎汽船<9107.T>が9.6%高。半面、1Qが最終減益となったSHIFT<3697.T>がストップ安まで売り込まれた。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1299/値下がり321。連日の日本株高を材料に、野村HDや大和証G、マネックスGなど証券株買いが盛り上がった。主力どころではNTT、東電HD、三菱重工などに強い動きが見られた。グロース系は濃淡があったが、ディスコや信越化学が大幅上昇。弱めの米PPIを受けて米国の長期金利は低下したものの、三菱UFJや三井住友など銀行株は軒並み高となった。上方修正を発表したローソンや松屋が急伸。決算が好感されたマネーフォワードがストップ高となった。

 一方、東京エレクトロンやソニーGなどグロース株の一角が逆行安。米金利低下を受けてドル円がやや円高に振れたことから、ホンダや日産自など自動車株には下落銘柄が多かった。1Qが大幅な増益となった良品計画は、買いが先行したものの利食い売りに押されて下落で終了。通期の利益見通し引き下げや減配を発表したIDOMが急落した。決算関連では下に値幅が出たものも多く、ベイカレントが一時ストップ安。エスプールがストップ安となり、グッピーズが場中値付かずのストップ安比例配分となった。

 日経平均は大幅上昇。上に値幅が出る中で値上がり銘柄も多かった。海外動向からはグロース向きの地合いになるかとみていたが、バリュー系の銘柄がかなり強く、グロース株も弱いわけではなかったことから、全面高の様相が強まった。本日の米国は休場で、あすは材料難が予想される。きょう36000円にワンタッチしたことで、到達感からの売りは出てくるかもしれない。ただ、きょうの上昇分(324円高)を消失したとしても、短期的な過熱感を削いだ程度。下値が堅ければ、きょうのように場中に強い買いが入る展開も期待できる。今週も週明けから大きな貯金を作り、売り方には分が悪い状況が続いている。あす大きく下げることがなければ、36000円も通過点となる可能性が高い。
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