NYマーケットダイジェスト・16日 株安・金利上昇・ドル高

(16日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.19円(前営業日比△1.46円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.06円(△0.46円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0875ドル(▲0.0075ドル)
ダウ工業株30種平均:37361.12ドル(▲231.86ドル)
ナスダック総合株価指数:14944.35(▲28.41)
10年物米国債利回り:4.06%(△0.12%)
WTI原油先物2月限:1バレル=72.40ドル(▲0.28ドル)
金先物2月限:1トロイオンス=2030.2ドル(▲21.4ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
1月米ニューヨーク連銀製造業景気指数 ▲43.7      ▲14.5

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は続伸。1月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が▲43.7と予想の▲5.0を大幅に下回ったことが分かると全般ドル売りが先行。22時30分過ぎに一時146.29円付近まで下押しした。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事はこの日、講演で「インフレが再燃しなければ、今年利下げは可能」としながらも、「インフレ率の低下が持続すると明確になるまで利下げを急ぐべきでない」「利下げは秩序立った慎重なペースで進めるべき」などと発言。「ウォラー氏は行き過ぎた市場の利下げ期待をけん制した」との見方から、米長期金利の上昇とともにドル買いが加速した。4時前には一時147.31円と昨年12月7日以来の高値を更新した。

・ユーロドルは下落。ウォラー氏の発言を受けてFRBが早い時期に利下げに転じるとの見方が後退すると、米長期金利が上昇し全般ドル買いが優勢となった。欧米株価の下落を背景にリスク・オフのドル買いも入り、1時過ぎに一時1.0863ドルと日通し安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.43と昨年12月13日以来約1カ月ぶりの高水準を付けた。
 なお、低調な米経済指標を受けて一時1.0898ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。また、欧州中央銀行(ECB)高官からは早期利下げに慎重な発言が相次いだものの、ユーロ買いでの反応は薄かった。

・ユーロ円は続伸。23時前に一時159.32円付近まで売られたものの、アジア時間に付けた日通し安値159.24円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。ドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いが出ると、一時160.15円まで上値を伸ばした。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。中国で「iPhone15」などを値下げすると伝わったアップルが下げたほか、破損事故受けて「737MAX」の品質検査をさらに強化すると伝わったボーイングが売られ、相場の重しとなった。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事の発言を受けて、米長期金利が上昇すると一時390ドル超下落した。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は7日ぶりに反落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反落。ウォラーFRB理事が「インフレが再燃しなければ、今年利下げは可能」としながらも、「インフレ率の低下が持続すると明確になるまで利下げを急ぐべきでない」と述べ、市場の早期利下げ観測をけん制すると売りが優勢となった。

・原油先物相場は3日ぶりに反落。対ユーロなどでドル高が進み、ドル建てで取引される原油の割高感が意識された。一方で中東の地政学リスクの高まりを手掛かりにした買いも入ったため、下値も限られた。

・金先物相場は反落。欧米の金融政策当局者から早期利下げ観測をけん制する発言が相次いだことを受け、欧米長期金利が上昇。金利を生まない資産である金の投資妙味が弱まった。

(中村)
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