株式明日の戦略-軟調も売買代金は5兆円超え、36000円近辺での値固めが進む

 6日の日経平均は3日ぶり反落。終値は193円安の36160円。米国株安を受けて100円近く下げて始まると、場中はマイナス圏で方向感に欠ける動きが続いた。序盤は下を試しに行ったが、下げ幅を200円超に広げて36000円に接近したところで売りが一巡。やや戻して36100円近辺でしばらくもみ合った。後場に入るとトヨタ<7203.T>が決算を材料に買われたことから、歩調を合わせて下げ幅を縮小。しかし、36300円に迫ったところでは売り直されて失速。後場に戻した分をほぼ消失し、200円近い下落で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で5兆0200億円。業種別では輸送用機器、水産・農林、パルプ・紙などが上昇した一方、電気・ガス、鉱業、銀行などが下落した。上方修正が好感されたトヨタは、後場にプラス転換から上げ幅を広げて4.8%高。時価総額が50兆円を超えたことが市場の話題となった。半面、引け間際にローソン<2651.T>にTOBを実施するとの観測が伝わったKDDI<9433.T>が大幅安。ローソンは当該ニュースを受けて売買停止となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり385/値下がり1233。米国でエヌビディアなど半導体株が強かったことを手がかりに、ディスコ、アドバンテスト、レーザーテック、SCREENが大幅上昇。1:10の株式分割を発表した三菱重工が6%を超える上昇となった。トヨタの急伸に刺激されたかのようにマツダ、SUBARU、ホンダなど自動車株が軒並み高。決算を材料にスクエニHDや西松建設が急伸し、上方修正、増配、自己株取得・消却を発表したデクセリアルズがストップ高となった。

 一方、米長期金利の大幅上昇を受けても、三菱UFJやみずほFGなど銀行株が大きく売られた。下方修正を発表したヤマトHDが7%を超える下落。今期が大幅な最終減益見通しとなったオムロンは、売りが殺到してストップ安となった。決算を材料に三菱電機、アステラス、ダイセルが大幅安。総じてさえない地合いの中、ダイキンやキーエンスなど値がさ株の一角が弱かった。

 日経平均は3日ぶりに反落。半導体株には買いが入ったものの、全体市場への好影響は限られ、幅広い業種が売りに押された。ただ、5日線(36194円、6日時点)より下を売り急ぐような動きは見られなかった。トヨタの大幅高もあり、個別の物色は活況が続いている。下げ相場の中で東証プライムの売買代金は5兆円を上回った。終値ベースでは1月22日の36546円を超えられない状態が続いている。その一方で、この日以降、終値で36000円を下回ったのは1月26日(35751円)の1営業日しかない。きょうも終日36000円より上で推移した。値固めは進んでいるだけに、そろそろ高値を更新する動きが見られるかが注目される。
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