NYマーケットダイジェスト・2日 株高・金利上昇・ドル底堅い

(2日終値)
ドル・円相場:1ドル=144.96円(前営業日比▲0.43円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.80円(▲0.38円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1297ドル(△0.0007ドル)
ダウ工業株30種平均:41317.43ドル(△564.47ドル)
ナスダック総合株価指数:17977.73(△266.99)
10年物米国債利回り:4.31%(△0.09%)
WTI原油先物6月限:1バレル=58.29ドル(▲0.95ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3243.3ドル(△21.1ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
4月米雇用統計
失業率     4.2%      4.2%
非農業部門雇用者数変化
       17.7万人    18.5万人・改
平均時給
(前月比)   0.2%      0.3%
(前年比)   3.8%      3.8%
3月米製造業新規受注
(前月比)   4.3%      0.5%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに反落。米労働省が発表した4月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比17.7万人増と予想の13.0万人増を上回ったものの、前月の数値が下方修正されたうえ、平均時給が予想を下回った。指標発表直後はドル買いが入ったものの、反応は一時的。市場では「日本や英国の連休を控えた週末のポジション調整目的の売りが出た」との声も聞かれ、23時過ぎに一時143.73円と日通し安値を更新した。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。「中国は米国との通商協議開始に向けてフェンタニルに関する提案を検討している」との報道が伝わると、米中の関税交渉が進展するとの期待からダウ平均が一時630ドル超上昇。投資家が運用リスクを取る姿勢を強め、円売り・ドル買いが進んだ。日銀の早期利上げ観測の後退を背景とした円売り・ドル買いも出やすく、3時30分過ぎには145.08円付近まで下げ渋った。

・ユーロドルは4日ぶりに小反発。米雇用統計発表直後こそドル買いが入ったものの、そのあとは一転ドル売りが優勢に。23時前には一時1.1381ドルと日通し高値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時99.40まで低下した。
 ただ、週末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングを通過すると、流動性が低下する中でドルを買う動きが再び優勢となった。米中貿易協議の進展期待がドル買いを後押しした面もあり、一時1.1293ドル付近まで下押しした。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.32%台まで上昇したことも相場の重し。

・ユーロ円は反落。アジア時間に一時164.63円と年初来高値を更新したあとだけに、欧米市場に入ると利益確定目的の売りが優勢となった。ドル円の下落につれた売りが出ると、22時30分過ぎに一時163.46円と日通し安値を付けた。ただ、ドル円の下げ渋りにつれた買いが入ると164.02円付近まで下値を切り上げた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は9日続伸。米関税政策を巡る米中協議が進展するとの期待から、買いが優勢となった。4月米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を上回ったことも投資家心理の改善につながり株買いを誘った。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸。テスラやメタ・プラットフォームズが堅調だった。

・米国債券相場で長期ゾーンは続落。米関税政策を巡る米中協議が進み、米中貿易摩擦が緩和に向かうとの期待が高まると、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。4月米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を上回ったことも債券売りを促した。

・原油先物相場は反落。時間外に59ドル後半まで上昇したが、一巡後は売り圧力が再び強まると58ドルを割り込む場面もあった。サウジアラビアやUAE、ロシアなどを含む「石油輸出国機構(OPEC)プラス」の有志8カ国は、来月の産油量に関する会合を3日に開くことが伝わった。当初、会合開催は5日予定されていた。前回会合で8カ国は今月の生産拡大に合意しており、6月生産計画についても一部から増産の提案が出ることが予想されている。

・金先物相場は4日ぶりに反発。前日の大幅安の反動で買い戻しが時間外から強まると、一時3275ドル超えまで上昇。もっとも、ニューヨーク勢の参入後からは伸び悩む展開に。米中通商協議への期待感を背景にリスク志向の動きが広がり、安全資産とされる金の上値が圧迫された。米金利が大幅に上昇したことも、金利を生まない資産である金の魅力を薄めた。

(中村)
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