NY為替見通し=株高の円売り・米早期利下げ慎重論のドル高の流れは継続

 本日のNY時間は、市場を動意づける経済指標の発表がないだけでなく、現時点では米連邦準備理事会(FRB)要人の講演等も予定されていないことで、値動きは限定的になるだろう。

 しかしながら、リスク選好での円売りトレンドや、米国の早期利下げの慎重論の高まりによるドル買いのセンチメントが変わることはなく、ドル円は底堅さを維持できるだろう。

 株価に関しては、日経平均が22日には最高値を34年ぶりに更新。ダウ、S&P500も最高値を更新している。昨日は半導体大手のエヌビディアが16.40%高と急伸し、ハイテク・セクターが上昇をけん引しただけでなく、S&P500の11セクターは公益を除く10セクターが上昇するなど幅広いセクターで上昇した。株高により円売りが継続されることが予想され、来週には日経平均が4万円の大台に乗せることも期待されている。

 一方、すでに欧州時間から時間外の米10年債利回りが4.34%台まで上昇するなど、米金利の動向がドルを底堅くするだろう。昨日もジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長が講演で「物価安定という最終目標の達成を損なわないよう、インフレ鈍化を受けた政策金利の過度な引き下げを警戒する必要がある」とも発言し、過度の利下げ期待を払しょくしようとしている。また、先週発表された米国インフレ指標(1月消費者物価指数=CPI、同月卸売物価指数=PPI、ミシガン大学インフレ期待)がすべて市場予想を上振れしたが、2月29日に発表される1月の個人消費支出(PCE)が市場予想よりも下回らない限りは、米国の利下げを期待する声は強まることはないだろう。よって、多少の調整が入ったとしても、ドル買い・円売りのセンチメントはこのまま来週29日までは継続すると予想する。


・想定レンジ上限
 ドル円は、近場では13日に付けた年初来高値150.89円。超えた場合は昨年11月13日高値151.91近辺が目標になるか。

・想定レンジ下限
 ドル円は、昨日安値150.02円。


(松井)
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