ロンドン為替見通し=ブラックアウト前のミュラー・エストニア中銀総裁の講演に注目

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、3月7日に開催される欧州中央銀行(ECB)理事会に向けてのブラックアウト期間前のタカ派のミュラー・エストニア中銀総裁の講演に注目する展開となる。

 また、月末に近づいているため、ロンドン・フィキシングでのフローには警戒しておきたい。
 さらに、ユーロドルのNYカットオプションが1.0860ドル(29日)、1.0855ドル(29日)、1.0850ドル(28日)、1.0845ドル(3月5日)に控えており、値動きを抑制する可能性にも留意しておきたい。

 ミュラー・エストニア中銀総裁は、先日、給与の伸びは2%のインフレ目標と整合するには依然強過ぎると指摘して、時期尚早な利下げに注意を促した。そして、「利下げが可能なことを全ての指標が示していると自信を持って言えるよう、1-3月のデータを待つ方が自分は安心できる」とも語った。
 1-3月の賃金データが発表されるのは4月末で、4月11日に開催されるECB理事会には間に合わないことで、6月6日のECB理事会での利下げ開始の可能性を示唆していることになる。

 ミュラー氏は「時期尚早の行動をとるのはリスクが高い。間違いを犯したことが後になって判明し、修正しなければならなくなる恐れもある。転換期近辺の決定は、そうでない時と比べ常に難しい」と述べており、本日の講演でも同様の見解が予想される。

 すなわち、先日ラガルドECB総裁が「インフレ率低下は続くだろうが、それが2%目標の持続的な達成につながるという確信を政策委員会は必要としている」と述べたように、「確信」が得られるまでは利下げ開始はないということが強調されると思われる。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0916ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:163.85円(ピポット・レジスタンス2)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0762ドル(2/20安値)
・ユーロ円:162.59円(日足一目均衡表・転換線)


(山下)
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