ロンドン為替見通し=ポンド、英予算案への反応が注目

 本日のロンドン為替市場では、英政府が春季財政報告(春の予算編成方針)で明らかにする予算案の内容に対するポンドの反応が注目される。昨日の英10年債利回りは前日比10ベーシスポイント以上低下して終え、米国を含む主要国債券をアウトパフォームした。6日の英予算案発表について、英タイムズ紙が「ハント財務相は一部の国民保険料率を2ポイント引き下げることを発表」と報じたことに反応したもよう。なお同紙は、記事の情報源を明らかにしていない。

 英長期金利の低下にもかかわらず、昨日のポンドドルはロンドン午後に1.26ドル後半から1.2730ドル台まで上昇している。弱い米経済指標により反応した形だった。ただニューヨーク午後から上昇は一服しており、足もとでは英予算案待ちという様相だ。

 先週末の報道でハント財務相は、景気見通しの悪化を理由に大型減税に慎重な姿勢を示した。年内実施が見込まれる総選挙を前にし、与党・保守党の議員から「低調な支持率を押し上げるために減税措置が必要」との声が広がっており、それに対して財務相がけん制したもよう。財政健全化と支持率確保の必要性に挟まれたスナク現内閣が、どのような決断をするかが注視される。

 ユーロドルは結果的に90日移動平均線の上では伸び悩み、200日移動平均線の下では下げ渋るという状況が続いている。本日は90日線が1.0862ドル、200日線が1.0832ドルに位置しており、両線を意識しながらの値動きが続くだろう。明日にはECB理事会を控えているものの、NY前半に予定されている2月ADP全米雇用報告やパウエルFRB議長の議会証言でレンジを広げる場面があるかもしれない。

想定レンジ上限
・ポンドドル、2月2日高値1.2772ドル
・ユーロドル、1月24日高値1.0932ドル

想定レンジ下限
・ポンドドル、1日安値1.2600ドル
・ユーロドル、2月19・20日安値1.0762ドル


(小針)
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