ロンドン為替見通し=英指標を受けたポンド主導の動きか、一巡後は米金利を睨んだ取引きに

 本日のロンドン為替市場では、序盤に発表される英国の経済指標を受けたポンドの動きが暫く相場を主導することになるか。日本時間16時に11月分の国内総生産(GDP)、鉱工業生産指数、製造業生産高と貿易収支の結果が明らかにされる。

 英指標で注目されそうなのが、月次GDP(予想、前月比0.2%)と鉱工業生産指数(予想:前月比0.3%/前年比0.7%)あたり。どちらも前月比では前回マイナスだったところからプラス回復が見込まれ、鉱工業生産の前年比も若干ながらプラス幅を伸ばす見通し。昨年末には、英国経済が2024年にリセッション(景気後退)を回避できるとの予測が増えたとの報道も見受けられ、今年後半には景気が拡大するとの期待感も高まっているもよう。本日の指標は23年11月分ではあるものの、24年に向けて英経済が勢い付くことができるか確認することとなる。

 指標に絡んだ動きが一巡した後は、再び米・中長期金利を睨んだドル相場になりそうだ。昨日の12月米消費者物価指数(CPI)は総じて予想比上振れたものの、1日を終えると米10年債利回りは前営業日比で低下し、米連邦準備理事会(FRB)に対する早期利下げ見通しも維持されたままとなった。本日、欧州午後には12月米卸売物価指数(PPI)が発表されるが、CPI以上の反応を市場が見せるとも思えない。米金利の先安観が強まったままとなれば、週末を控えて欧州通貨が対ドルで上値を試す場面もあるか。

 ほか週末イベントでは、欧州とは地理的に離れているものの台湾の総統選が注目だ。今年5月から4年間のリーダーを決める選挙は13日に投票が行われ、候補者3人の選挙戦は3つ巴とも言われている。結果を受けた中国の姿勢が注目され、今後の米中や日中関係にも影響してくるだろう。中国と経済的な結びつきを深めてきた欧州諸国からの関心も高そうだ。

想定レンジ上限
・ポンドドル、ピボット・ターニングポイント1.2877ドル
・ユーロドル、年明け2日につけた高値1.1046ドル

想定レンジ下限
・ポンドドル、10日安値1.2687ドル
・ユーロドル、9日安値1.0911ドル


(小針)
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