ロンドン為替見通し=英小売・ユーロ圏HICP改定値確認後は米住宅指標待ちか

 14日に急伸した欧州通貨は、その後はレンジ内で神経質に乱高下している。基本的な流れは米金利動向次第となるだろうが、引き続き欧州の経済指標の結果や要人発言にも警戒しておきたい。

 本日は英国から10月の小売売上高が発表される。15日に発表された、英国の同月消費者物価指数(CPI)は前月比・前年比ともに予想を下回り、同時に発表された小売りの物価指数も下振れた。このこともあり、小売売上高は前年比ではマイナス予想となるものの、前月比では自動車燃料含む数値と、除く数値はそれぞれ+0.3%、+0.4%予想となり、プラスになるとされている。インフレを抑制し、小売りも回復傾向を示した場合には英国経済には朗報となり、ポンドは買われやすくなるか。なお、本日は英中銀(BOE)からはラムスデンBOE副総裁が講演予定。

 ユーロ圏からは複数の経済指標が発表されるが、10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値が、速報値と大幅にずれが生じた場合の反応に気を付けておきたい。速報値は+2.9%となり、予想の+3.1%を下回った。市場はユーロ売りで反応したが、その後米金利が低下したことを背景に、ドル売り・ユーロ買いとなっている。
 なお、本日は欧州中央銀行(ECB)要人の講演は、ラガルドECB総裁はじめ多数予定されている。ここ最近は市場を動意づけるような発言はあまりないが、サプライズとなる発言がないかには気を付けておきたい。

 NY入り後は、米国から複数の経済指標が発表される。グールズビー米シカゴ連銀総裁が「インフレ改善の鍵は住宅」と発言しているように、住宅関連指標でも米金利が大きく反応することがあることで要警戒となる。

・想定レンジ上限
 ポンドドル:14日高値1.2506ドル。
 ユーロドル:16日高値1.0896ドル。

・想定レンジ下限
 ポンドドル:日足一目均衡表・転換線1.2347ドルや、14日米CPIが発表される前の高値近辺の1.2310ドル。
 ユーロドル:200日移動平均線1.0805ドル。大幅安となった場合はポンドドル同様に、14日米CPIが発表される前の高値近辺の1.0730ドル。

(松井)
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