ロンドン為替見通し=ユーロドル、一目で買いシグナル点灯 ポンドドルも上値余地広げるか

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは、ドイツ経済指標や金融当局者の講演を確かめながら、欧州午後に発表される2月米雇用統計を待つことになる。経済指標は1月独鉱工業生産(予想:前月比+0.6%/前年同月比-4.8%)と同生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.2%)、講演はリトアニアとオーストリアの中銀総裁が予定されている。

 日足一目均衡表でユーロドルは昨日、雲を上回って引けた。主要線の位置関係を含めて強い買いシグナルと言われる三役好転が点灯したことになり、上値余地を探る展開も考えられる。ただし気を付けたいのは、一目雲の幅は狭く(上限1.0932ドル、下限1.0894ドル)、必ずしも強い支持帯という訳でもないこと。週末の重要イベント後に雲を挟んで上下する展開も想定しておきたい。

 ユーロドルは、昨日の欧州中央銀行(ECB)理事会後の結果発表を受けて1.08ドル台で緩むも、ラガルドECB総裁の会見を受けて1.09ドル台半ばまで切り返した。インフレ見通しの下振れで利下げが近いことを匂わせたが、ラガルド総裁が利下げの議論なしと述べたことに反応した動き。しかしながら「制約的な姿勢を巻き戻す議論を始めたところ」と言及したように、次の一手は金利引き下げなのは確かだ。

 シムカス・リトアニア中銀総裁は先月下旬、ECBの政策転換は夏頃になることを示唆しており、本日も同様な姿勢が予想される。ホルツマン・オーストリア総裁が、理事会を経て、どの程度までタカ派度合いを維持しているかが注目される。

 昨日はポンドドルもしっかりと上昇し、昨年12月末以来の1.28ドル台乗せに成功した。同月28日高値1.2827ドルをクリアに上抜けると、上昇に勢いがつくチャートの形となっている。6日の春季財政報告で財政赤字の減少が示されたことが、結果的に好感されたようだ。米雇用統計で上値余地を広げるか注目したい。
 
想定レンジ上限
・ユーロドル、1月2日高値1.1046ドル
・ポンドドル、昨年7月28日高値1.2887ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、昨日安値1.0868ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・転換線1.2706ドル

(小針)
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